今回のいい寺は・・・
臼杵の二王座を歩くです
臼杵藩の城下町には、今でも古い町並みが残っています。
そこには武家屋敷や寺院が立ち並び、古き時代を今に伝える
場所となっています。
臼杵城から眺めた月桂寺です
月桂寺は、稲葉家歴代藩主の菩提所として二代目藩主・稲葉典通が
建立したお寺です。
祖父・稲葉一鉄が妻の菩提のため、美濃に創建したお寺も月桂寺と
いいました。
臼杵藩への国替えに合わせて、同じ名前のお寺を新たな地にも
造ったのですね。
稲葉典通は、美濃から湖南宗嶽和尚を開山として招きました。
二王座にある浄土真宗・善正寺です。
最近本堂を新築したお寺です。
親鸞聖人の像が祀られていました。
ここも400年前に郡上八幡より移転した寺院です。
本尊は美濃伝来の阿弥陀如来像で、開基顔了法師も美濃から
訪れました。
大名の引越しには、家臣や家来や多くの住民がお供していきます。
先祖を残して移る不安を解消するために、寺院も一緒に引っ越して
きたのでしょうか。
同じ郷里、同じ信仰を持つ仲間がいた事はどれだけ心強かった
ことでしょう!
やはり、志や共有できるものを持った関係は強い絆で結ばれており、
お互いに安心と信頼の中で新天地で生きてきたのでしょうね!!
国替えのときに宗教(先祖)が心の支えになったのでしょう。
僧侶が随行して新天地に向かって行きました
臼杵は、キリシタン大名・大友宗麟が築いた町でキリスト教徒が
多くいました。
そこへ、美濃から和尚さんを伴って引っ越してきたお殿様一行。
宗教の違う人が同じ地域に住むということは、現代では難しい面も
ありますが、この臼杵では藩主がうまく舵取りをして融和していった
のでしょう
ところが、江戸時代になるとキリスト教禁止令が発布されて
檀家制度が確立されました。
キリスト教徒にとっては衝撃的な出来事だったのでしょう
これをきっかけに大友宗麟の築いた臼杵から稲葉家の城下町へと
変貌をとげました。
昔ながらの町では、寺院を中心にして門前町や住居地を形成
しているところが多いですね。
寺院は昔から人の集まる場所でした
そして、先祖を祀る場所として景観や自然災害を考えて
立地条件の良い場所に建てたそうです
小道を上がるとその先には古い町並みが続いていました
かつて、この地には春日局も住んでいたとか・・・
格子戸の向こうに見える黄色い自転車がかわいらしいですね
歴史地区の中で景観を守りつつ住居として使われているようです。
ゆるやかなアーチを描く道
二王座は阿蘇山の火山灰が固まって出来た凝灰岩の丘で、
あちこちの岩を削り取って道を通したものだそうです。
《切り通し》と呼ばれ、風情がありますね
二王座の町並みの中にある無料休憩所
一歩中に入ると、懐かしい公衆電話に土間
おばあちゃんの家に来たような気分になりました。
温かい色の電球のもとで懐かしさに包まれます
毎年11月の第一土・日曜に《うすき竹宵》が開催されるそうです。
約2万本もの竹ぼんぼりが二王座歴史の道周辺に灯されます
臼杵石仏を造った真名長者の娘、般若姫の御霊が都から
里帰りしたという伝説を再現したものです。
こちらにも無料の休憩所がありました。
散策には嬉しい施設ですよね♪
格子窓の町屋が並ぶ通りを歩いたとき
醤油屋さんのおばちゃんが笑顔で迎えてくれたとき
坂道を散策する人の嬉しそうな顔を見たとき
小さな水路でキレイな鯉を見つけたとき
朝、川のせせらぎで目を覚ましたとき・・・
小さな町っていいですよね
2泊3日の休みが取れたなら、近くの海外にも十分
行けるかもしれないけれど、国内の小さな町を訪れて
みるのも素敵な過ごし方ですよね!
ただそこにいるだけで、まるで自分のふるさとのような
懐かしいぬくもりに包まれるものです
大友宗麟の夢見た王国・大分の町 散策はまだ続きます