大分・日田《小鹿田焼の里》

今回のいい寺は・・・
大分日田 小鹿田焼(おんたやき)の里です♪

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日田は有明海に流れる筑後川の上流で、山々に囲まれた
自然豊かな町です
この地方で伐採された材木は、川を下り久留米の町に
運ばれていました
ここは大分県の町ですが、歴史的に福岡県との繋がりが
深く、久留米と日田を結ぶ日田街道もあり昔から往来が
盛んでした。

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日田は昔から林業が盛んです。
川を下った材木も、今ではトラックで運ばれます

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日田市の北、福岡県との県境に近い山中の小さな
集落に向いました

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ギギギー
ザーーー
ドンっ

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唐臼の音が繰り返し繰り返し響いていました

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窯場のある地域を皿山といい、小鹿田皿山は集落全体の
地質が厚い陶土層で形成されていて、表土を少し掘り下げ
れば陶土を掘り出せます。

小鹿田焼の陶土は、他の地域の原土を混ぜることなく、
すべて集落周辺の山からの自給だそうです。

窯元は昔から10軒で増えも減りもしない一子相伝
なっているそうです
掘り出した原土は各窯元で均等に分け、土小屋で乾燥
させます。
原土が乾燥したら、唐臼で2週間ほどかけてつきあげます。
そして水分を除いてから使用するので、粘土が出来るまでに
一ヶ月以上はかかるそうです

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ロクロを回しながら黙々と作業を続ける陶工さん。

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足でロクロを器用に操作しながら、生乾きの陶器に
模様をつけていきます。

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天日干しをして窯に入れる準備をします

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登り窯に入れられた火は徹夜で焚き続けられます
八つの焼成室にはそれぞれ癖があり、焚き方は
窯元の経験と勘だけが頼りだそうです
窯元が一番神経をすり減らすのがこのときですね。

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江戸時代中期に、筑前の国 小石原焼から陶工・
柳瀬三右衛門を招き、大鶴村の黒木十兵衛によって
開窯されました。
300年に渡り、当時の技法を受け継いできたそうです。
日田天領の生活雑器を自給する目的で始まった民陶窯で
あり機械類を一切使用せず、すべて手作業で行われています。

素朴な風合いで、一見地味ですが、伝統と技が凝縮
された工芸品ですね!

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笑顔の素敵なおかあさん♪

唐臼で粉砕された原土は、家の庭先に造った水槽で
こしたり、水分を抜いたりして手間隙をかけ陶芸にあった
土に変えていきます。
この一連の胎土づくりの作業は、ほとんど女性の手で
行われ、かなりの重労働だそうです

家業はもちろんですが、家庭にあっても女性の果たしている
役割は地味かもしれませんが、大きいと思います。
家を内から守るので《家内》というのでしょうか。
最近、女性が家を支える形は多様化しているように
思います。
しかし、女性にしかできないような支えは、女性として放棄
したくないですね。
小鹿田焼の女性の姿に、そんな美しいつながりを
感じました

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日田は杉の産地であることから、多くの製材所があり、
木材の切れ端をに使用し、灰は釉薬に使用します。
さらに土を細かく砕く動力は水車であり、ロクロは
で動かします
材料から動力までほとんど地域でまかなうことが
できます。

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小鹿田焼の陶土は保水力が強く、乾燥するまで一ヶ月
ほどかかります。
乾くのが早ければ、機械などを導入して大量生産できた
かもしれませんが、それができませんでした。
そして枯れることの無い水を利用したのが陶土を練る
唐臼です
近代化出来なかったことが、逆に小鹿田焼ブランド
残すことにつながったそうです。
つまり小鹿田焼は“自然に守られた”ということですね!

手作りは量産できない不備や均一化出来ない面があります。
しかし、職人が丹精込めて作ったものは、大量生産にない
温かみや個性の面白さ、そしてその頑丈さなど素晴らしい
ものがあると思います

均一化された大量生産な規格ものばかりを求める
のではなく、「自然を生かしたもの」や「手作りなもの
の良さを私達は再認識して利用し、後世に残して
いきたいものです

次は、手間隙をかけ陶器にあった土に変えていく
小鹿田焼のように、子供たちが仏門に入って未来の
和尚さんになっていく始まりの式に行ってみます

 

カテゴリー: 九州 大分   パーマリンク

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