いい寺★寺津の治助

今回のいい寺は・・・・・寺津の治助です。

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寺津は名前の通り漁港(津)の町です
漁師は漁で生計を立てて海から恵みを頂きます
その海も嵐になれば人をのみ込み命を奪います
漁師は自然に身をゆだねながら生活をするので
信心深いそうです
畏怖と畏敬の念が信仰の厚さになってお寺を大切に
しているのでしょう。
 

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港の近くの通りには、三十三観音菩薩が祀られていました。
綺麗な花が、観音菩薩に手向けてありますね
ここで皆さん漁に出る家族の無事を願うのでしょう
 

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観音菩薩は、阿弥陀仏の脇侍菩薩で勢至菩薩と
合わせて阿弥陀三尊仏といわれます。
阿弥陀仏の代わりに現世で私達を助けるのが役目
だそうです。
三十三観音菩薩と言われるように、沢山の菩薩が
色々な姿に変わって私達を支えています

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私達の生活を支える観音菩薩
あるときは具足となって現れるそうです。
網も観音菩薩と思えば大切に使いますね
 
ノーベル平和賞を受賞したケニアのマータイ副大臣の
もったいない」の言葉は、使い捨ての時代への
警鐘でした
原材料費が値上がりしている今こそ物を大切に使うことを
考える時ですね
 

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軒先の竿に玉ねぎが網に入れて吊るしてありました
おばあちゃんの家にも吊るされていたなぁと思い出しました。

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商店街の仕出し屋さんでは、アナゴを捌いていました。
慣れた手つきで素早く二枚に下ろしていました
三河湾で獲れる魚は美味しいです
隣の一色町には、有名なウナギの養殖場があります。
昔はウナギと言えば浜松でしたが、今は三河一色産
ウナギもブランドですね。
 

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港近くの瑞松寺には寺津城の遺構があります
昔、吉良氏の家臣・大河内氏の居城がありました。
大河内氏東条吉良家徳川家に仕え、三代将軍徳川家光
の時に松平家に養子に入った伊豆守信綱は老中まで
務めました。
伊豆守信綱は「智恵伊豆」とよばれ島原の乱を鎮定した
功により武蔵川越の領主となり、寺津の大河内氏も
三河吉田藩・上野高崎藩に移封しました。
 
そして、治助親分の時代の寺津は静岡・沼津藩の領地
となっていました。
隣接する碧南市・大浜には出張所の役目をする沼津藩・
大浜陣屋がありました。
治助親分は、そこから十手を預かってお上の御用も
務めていました。

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親分稼業の収入源は、博打の開帳でした
博打は昔もご法度でしたから、賭場として使用されたのが、
町奉行の管轄外の神社仏閣でした。
そこで、開帳の場所代を寺銭というそうです。
寺津は漁港で活気があり寺社が多くありますから
賭場に困らず繁盛したのでしょう。
治助親分の所には、60人もの子分がいたそうです
 
治助親分は十手も預かっていましたから町の治安を
守りながら程よく住民を遊ばせていたのでしょう。
天下の大親分として慕われていたみたいで浪曲・
清水次郎長伝の石松三十石舟の段でも話が出てきます
旅人が天下の大親分は寺津の間之助か西尾の治助か・・・
それとも清水次郎長か。
その後、清水一家の子分の話になった時に石松が割って
入って「食いねー食いねー鮨食いねー」「江戸っ子だってね」
と有名なセリフが続きますね。
 

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治助間之助は兄弟です。
治助の後を継いで寺津一家の親分になりました
間之助も大浜陣屋から十手を預かり地元の治安を守りました
間之助は海運業でも莫大な資産を手に入れたそうです
地元では間之助の方が有名で、間之助羊羹があり菩提寺・
養国寺にはお墓があります
 

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時代がたって繁栄した寺津も一地方の町となっています。
最近、名鉄三河線が廃線となって、寺津駅の跡は草に
覆われていました
 
寺津の治助も間之助も清水次郎長がサイコロと剣の
修行をした事も忘れられてしまいそうです
 
地域や人物の名前を残すのは、大変なことですね!
ただ歴史を伝えるだけでなく、そこから何か学べること
あれば皆さん耳を傾けてくれるでしょう
 
その何かを探してみるのも楽しいです
見た目では分からない何かを・・・・・
 
次は治助親分、間之助親分に十手を持たせた
碧南・大浜陣屋にいってみます

カテゴリー: 愛知・西尾   パーマリンク

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