フィレンツェ☆再び命を吹き込む

今回のいい寺は・・・
フィレンツェの家具修理職人です♪

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フィレンツェ旧市街の下町の朝は職人の奏でる
様々な音とともに始まります

朝を告げる教会の鐘の音にまじって聞こえて
くるのは、工房のシャッターをがらがらと開ける音

フィレンツェを歩いていてよく目につくのが小さな
家具修理工房です

イタリアの家具というとモダンなものを思い浮かべ
ますが、フィレンツェを歩いていてよく見かけたのは
骨董家具のようなものや、昔の家具を修理して売る
ところでした。

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イタリア人はファッション、車、家具などのモダン
デザインで、世界の流行をリードしているように見えて、
その反面日常生活では古い物をとても大切にする
ですね

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フィレンツェで職人の密集しているサント・スピリト通り
にある職人街で見つけたマリーノさんの工房
覗いてみました

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小さなお店と小さな工房でした。

イタリアでは18世紀の産業革命によって手工業による
工房は衰退しました
さらに1966年のアルノ川の大洪水によって転業・廃業
する工房も多かったそうです

マエストロと呼ばれる親方の下に10名ほどいた
弟子達も大工場の労働力として吸収され、
マリーノさんの工房でもいつのまにか家族だけが
働く工房になってしまったそうです。

発展に限りのある工房に来る若者が少なくなって
しまったのですね・・・

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マリーノさんのお孫さんが
「一般的な家具の生産から、多くの人手を必要と
しない家具の修復に仕事の中心を変えてきたんだ。
普通の家具は近代的な大工場で大量生産されて
いるしね。」とおっしゃっていました。

マリーノさんの工房には様々な年代の色々な家具が
修理・再生のために持ち込まれます
工房の中を見せてくれました♪

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ニスがはげ落ちた傷だらけのタンスから、虫食いだらけ
のイス、脚が無くて満足に立たないような
「よくも今まで捨てずに保存していた」と思われる
テーブルまで・・・

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そんな家具を元の姿に直すためには、それがどの年代で
その年代で好まれたニスの色合いや、脚の形、引出や
飾りの付け具合、使われる木の種類など、それぞれの
家具ごとに正確に知っておかなければならないそうです

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そしてただ新品同様にピカピカにするのではなく、
それらが作られた時代の姿で、歴史を感じさせ
ながらキレイになった
」という具合に仕上げなければ
ならないので大変な作業ですよね

塗ってあるニスを丁寧にはがすことから始め、欠けたり
折れたりしている箇所は何とかして元通りに・・・

寄木細工だったりしたらもう大変な作業ですね。

そしてまたニスを塗り家具の古さに応じた風格
感じさせていかなければなりません。

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少しずつ、少しずつ、昔の職人が一生懸命作った
であろう家具は蘇り、また新しい家族とともに
その家の歴史を作っていくことになるのですね

再び何百年かの寿命をもらい活躍するのです

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マリーノさんの息子さんもお孫さんも迷わず
跡を継ぐことにしたそうです。

「私たちはすぐ身近にお祖父さんや父親などが
いて仕事を教えてくれたから幸運だったよ。」と。

イタリアには日本では考えられないような強さの
家族主義が残っているようです

そして家族の絆は、押し寄せる近代化の波からも
フィレンツェの工房を守る、強力な後ろ盾の一つに
なっているのですね

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外出さんの
「大量生産ではなく、出来る限り心を込めて納得の
いくものをつくり出している」というフレーズ。

職人さんの命が吹き込まれたものって輝いて
見えますよね

一ゲンさんの
「丁寧に作ったものは大事に使いたくなるね」

ものがあふれていて、又、安く手に入るので
ついつい「大事にする心」を忘れがちになりますね

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イタリアの家庭のように、私たちも代々使ってきた
古い家具などを修理しながら大事に使うという
エコな生活をしてみてもいいかもしれませんね

地球に優しくしたい・・・よね!

家族の愛でブランドを守ったGUCCI
フィレンツェが発祥です

グッチ家「家族の支え」はコチラ↓
e-tera.net/Entry/117/

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