今回のいい寺は・・・
合掌造りは人が造る!です♪
荘川から飛騨・白川郷へ向かう途中で見つけた
一軒の合掌造りの家
合掌造りの家を間近でじっくりと見上げたのは
初めてでした
5階建ての家を覆うその屋根はとても厚く
大きなものでした
一度葺いたら終わりではなく、数十年に一度
屋根の葺き替えをしなければなりません。
しかも、一軒の屋根の葺き替えは4tトラック10台分
の茅と、延べ200人ほどの人が関わって成し遂げる
大仕事です
合掌造りの屋根が「人」という漢字に見えるのは
私だけでしょうか
支え合っていかなければ屋根の葺き替えはおろか、
生活を築いてはいけませんね
天井は釘やカスガイは使わずに、くさびとツルと
わら縄でしめて仕上げます
旧遠山家は国の重要文化財に指定され、
資料館として一般公開されています
いろりの火によって燻された木は、虫がつかない
そうです
昔の生活のにおいを感じることができました
台所には普段手にしない道具がたくさん
昔の生活の中には、工夫された道具があって、
それを使いこなす知恵があったと思います
今は、便利さと引き換えに、工夫することも
忘れてしまったように思えます
2階に上がって窓から通りを見ると、道のむこうに
鳥居が見えました
急勾配の階段を上った先に神社があるそうです。
古来、人々は山や森の中に神秘的なものを
感じ社を祀りました
それは、自然に対する畏怖・畏敬の念があった
からでしょうねっ
豪雪地なので、屋根が雪に押しつぶされないように
急勾配の造りにしました
その屋根の空間は養蚕に適した場所として活用
されてきたそうです
窓の外に水の流れを利用したしくみを
見つけたので近くに寄ってみました
建物の裏手には小屋が
何に使われていたのでしょうか
屋根から落ちた雪どけ水を流す導水路も
ありました
小屋の向こうに人影を見つけ近くまで行って
みましたよ
話をうかがってみたら、実は以前この家に住んで
いた方でした
おばあちゃんは私に
「まわりの家の人たちはみんな都会へ移ってしまった。
でも、私はずっとここで暮らしたいんだ。
この村が大好きなんです。」
と笑って話してくれました
暮らすには便利な町とはとても言えないでしょう。
それでもこの町から離れたくないとおっしゃいました。
自分の住んでいる町のことを「素晴らしい!」と
胸を張って言える人はそう多くはないのでは?と
思います。
でも、気負いなく、この町が好きだと言える
おばあちゃんは素敵だと思いました
何かと便利な都会に目がいきがちな私でも、自分の
住んでいる町を自慢できるおばあちゃんの言葉が
胸に響きました
「また会いに来てもいいですか?」と聞く私に
おばあちゃんは「あなたの顔を覚えておくわ。」
と、目に焼き付けるように私を見つめました。
おばあちゃんの言葉も私の心に焼き付いて
いますよ!
でも、その言葉に少し寂しさを感じてしまいました。
いくら好きな町でも、ひとりの力では何ともなりません
私たち若者が、この厳しい現実と向き合い、
いつの日にか、若者がおばあちゃんを囲んで
話をしている写真が撮れることを願っています
笑顔は人を明るくし、会話のあいづちとして元気を
くれます
「笑顔」・・・それがいい寺.netがお伝えしたいことです
笑顔の宅配人を目指して