今回のいい寺は・・・
ユニオン教会・マティスとシャガールです♪
コネチカット在住の方に是非お連れしたい場所がある
と言われ、案内して頂いたのがここユニオン教会
(Union Church of Pocantico Hills)です
アメリカの大富豪ロックフェラー家が寄贈した教会
です
ニューヨーク郊外タリータウンにひっそりとたたずむ
教会の中には・・・
近代美術の巨匠マティスが亡くなる2日前に
仕上げたというローズウィンドウ「薔薇の窓」が
あります
このステンドグラスは三代目のネルソン・ロックフェラー
が1956年の母の日にマティスのコレクターであった
母・アビー・オルドリッチ・ロックフェラーを記念して
作られました。
ロックフェラー家によって依頼されたステンドグラス
は他にもあります。
「キリストのはりつけ」の情景は、ニューギニアで
亡くなったネルソン・ロックフェラーの息子マイケル
のためにシャガールが作成しました
シャガールによるステンドグラスは全部で9枚あり
この絵葉書の裏には「よきサマリア人」とタイトルが
書かれていました。
「情け深い人」というテーマをもっているそうです
サマリア人はユダヤ人とアッシリア人の混血の
子孫で、被差別者でした
それにもかかわらず、傷ついた旅人を助け、
宿に泊めて去っていったというサマリア人のことを
「良き隣人」に例えたイエスの教えがあります
聖書の中には現代に生きる私たちにとっても
ヒントとなる内容もあるのですね
ロシアからアメリカに亡命してきたユダヤ人画家
であるマルク・シャガールは独特の色彩感覚を
持ち、幻想的で空想的な夢のような情景を
描きました
シャガールはユダヤ特有の伝統や象徴に対する
敬愛を持っていたそうです
エルサレムの病院内の礼拝所のステンドグラスも
手がけました
ステンドグラスについて彼はこう語っています。
「ステンドグラスは私の心と、世界の心とを
つなぐ透明の仕切りである。」
画像は絵葉書をスキャンしたものですが
実際はもっと美しく、吸い寄せられるような
光線を放っていました
色々な色の光が差し込んで幻想的ですね
国連本部にもシャガールのステンドグラスが
ありますが、教会用のステンドグラスとしては
アメリカで唯一の彼の作品群だそうです
シャガールはこれらの作品の製作にあたり、
材料となるガラスを選りすぐる為にあらゆる色の
ガラスを吟味選別しました
そして、自ら酸を使ってガラスの色を少しずつ変化させ、
グラデーションをつけるというテクニックを駆使して
います
更にこうして出来上がったステンドグラスに直接
絵を描いたり、ガラスに彫刻をほどこしたりし、
最終的に絵画のような作品に仕上げることに
成功しました
1952年、65歳のときに、シャガールは、北フランス
にあるシャルトル大聖堂のステンドグラスを見て
大きな感銘を受けたそうです
そのステンドグラスは「シャルトルブルー」と呼ばれ
ています
「よきサマリア人」のステンドグラスの雰囲気がこの
シャルトル大聖堂のものと似ていますね
1956年から62年、シャガールは中世のステンド
グラスの魅力に惹かれて、自らステンドグラスの
研究と製作にのめりこんでいきます
パリ・ノートルダム寺院のステンドグラスやオペラ座
の大階段の天井絵もシャガールが手がけたものだと
と向日葵さんが教えてくれましたよ
(写真は向日葵さんから頂きました)
こんなに素敵な教会に連れてきてくださったマダム
に感謝です
たった一日前にお会いしたばかりにも関わらず
NY郊外をアテンドして頂きました
大都会ニューヨークでも温かい心に触れることができ、
感謝の気持ちでいっぱいです
秋のユニオンチャーチです
いちょうの黄色が石造りの教会にマッチして
とってもキレイですね
秋のタリータウンも訪れてみたいものです
Union Church of Pocantico Hills
150 White Plains Road Tarrytown,NY
(4月~12月のみOPEN)