今回のいい町は・・・
自然に飲みこまれた寺・タプロームです♪
クメール王朝において大きな足跡を残した王が
二人いました
アンコールワットを建立させたスールヤヴァルマン2世
とアンコールトムなどを建立させたジャヤヴァルマン
7世です
ジャヤヴァルマン7世は、スールヤヴァルマン2世の死後、
弱体化していたクメール王朝の再興を誓って立ち上がり、
街道の整備や病院の建設に取り組みました
彼は国内各地に積極的に寺院を建てていくのですが
その代表的なものが、このガジュマルにより侵食され
たタプロームです
ジャヤヴァルマン7世が1186年に母の冥福を祈って
建立したとされる仏教寺院です
しかし、彫像や仏像のレリーフが削り取られ、また
ヒンズー教の神々の姿も確認されることから、後に
ヒンズー教に改宗されたと考えられています
遺跡は発見された当時のままの姿で保存されて
います
ガジュマルの根がまるで大蛇のごとく遺跡に絡みつき、
まさに生きている植物とともに経てきた年月の長さが
偲ばれますね
幹は乾いていて時が止まったように見えるの
ですが、緑の葉をつけて生きているのです
根っこは石と石の間を破壊しながら侵入しています
繁栄した時代には40基にも及ぶ塔や、800棟を超える
堂宇が立ち、僧侶や舞姫など1万人近くが暮らしていた
そうです
回廊を侵食する巨木は樹齢300~400年とも
いわれます
タプロームは大好きなアンジェリーナ・ジョリーが
主演した映画「トゥームレイダー」の撮影場所でも
あります
映画のセットではなく、本物の植物がお寺を
飲みこんでしまったのです
木の幹の間から仏様の顔が見えたり
ひっそりとしていて、思わず呼吸をすることさえ
忘れるほど圧倒されてしまいました
修復作業がされている場所もありました
このままの姿がこの遺跡の魅力ではありますが、
今なお成長し続けるガジュマルにいつか破壊されて
しまうでしょう
これだけの素晴らしいアンコール遺跡も、
自然の脅威には勝てないのですね
建設当初はどんな風景だったのかな、と想いを
馳せてみました
この遺跡の中に身を置くと、人間って小さいんだなぁ
と感じます
人間と自然の歴史について深く考えさせられる
遺跡「タプローム」でした