カンボジア(16)祇園精舎の鐘の音

今回のいい町は・・・
祇園精舎の鐘の音です♪

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「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり・・」
 
日本では、江戸時代までアンコールワット
仏教の聖地・祇園精舎だと思われていました

時代を超え、国籍や宗教をも問わず、アンコールワット
を訪れる全ての人々が同じ光景を目にし、満ち足りた
表情をしていたことでしょう

「なんと美しいのだろう」

言葉にしなくとも、同じ思いでいることが私にも
伝わってきました

 

 
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そんな人類の宝であるアンコールワットは・・・

実際には、クメール王朝繁栄期に建てられた
ヒンズー教の寺院だったのです

でも、歴史をひも解いてみると・・・
 

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アンコールワットは、建立した国王が死去すると
隣国チャンパの侵略にあってアッという間に陥落
してしまいました
 
 
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その後、クメール王国を救ったのが
ジャヤヴァルマン7世でした

 

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チャンパ国の支配下となって4年・・・
 
反転攻勢にでたクメール軍は、トンレサップ湖
下ってチャンパ国へと攻め込んでいきました

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クメール王国は戦に勝利し、今度はチャンパ国が
属国となりました

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ジャヤバルマン7世の時代に、クメール王朝は
最盛期をむかえます

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国王は国家安泰のために、大乗仏教に帰依
しました

全ての国民の安寧をもたらす大乗の教えに
国王は共感を持ったのです

そして、宗教都市・アンコールトムを建立
しました

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その規模は、アンコールワットの数倍の広さでした

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チャンパ国との戦を教訓にして、四方の門は
高く頑丈な造りとなり

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周囲を大きな環濠で守りました

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この宗教都市の特徴は「クメールの微笑み
と呼ばれる大きな観音菩薩です

主要な建物の四面に祀られていて、その数、
大きさに驚いてしまいました

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国王は、宗教間の争いを避けるために、
ヒンズー教の神々をも祀りました

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国を整備し、勢力を拡大した国王は凱旋した軍を
象のテラスで迎えたそうです
 

勝利に沸く国民とともに国の安泰を確信したので
しょう

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ところが、大規模な造営により国力は弱まって
いきました

その不満は国王の信仰した大乗仏教へと
向かいました

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跡をついだ国王は、すぐに大乗仏教を排除し
ヒンズー教の国に戻しました

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しかし、一度衰退した国力は簡単には元に
戻りません
 
クメール王国は
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す」かの如く
歴史の舞台から消滅してしまいました

この儚さがアンコール遺跡の荘厳さと重なって、
日本に祇園精舎として伝わったのではないでしょうか

史実より、歴史の夢を見つめたい、アンコール遺跡
でした

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