江の島から龍口寺です♪
江の島は、弁財天の霊場です
島の女神・弁財天には恋の物語があります
昔々、江の島の対岸に五頭龍が棲んでいました
五頭龍は、村の子供を生贄にさせたり
田畑を流してあらゆる罪を犯していました
そんな五頭龍が、江の島へやってきた
弁財天に恋をしてしまいました
弁才天に求婚をしましたが、凶暴な五頭龍は
あっさり断られてしまいます
弁財天の許しを得るために、五頭龍は改心しました
日照りの時は、雨を降らせ
収穫の時には、台風を蹴散らし
津波の時には、身を呈しました
村人を守った五頭龍は力尽き・・・
その姿は、山となってしまいました
江の島と向かい合う山、片瀬の龍口山には、
五頭龍を祀る龍口明神社があります
60年に一度、巳年に御神体を神輿にのせて
江の島へ渡るそうです
犯した罪をつぐなった五頭龍は龍神となり
60年に一度、恋した弁財天に会えます
地元の人々は粋な計らいをしていますね
鎌倉時代になっての話です
僧・文覚が龍口明神に法味(読経)を供養したところ
「国に背く悪人が出た時には首を切って社頭に掛けろ」
との神託がありました
天変地異が頻繁に起こった時代に
五頭龍が託したのでしょうか
それからこの場所は、罪人の処刑場となりました
弁財天と五頭龍の恋愛の話が
恐ろしい話になってしまいました
ある時、龍ノ口の処刑場に一人の僧侶が
連れてこられました
若い日の日蓮聖人です。
出家した日蓮聖人は最初、比叡山にのぼり
奈良の東大寺を訪れ修行に励みました
既存の宗教では国を救えないと感じたのでしょう。
その熱い思いが日蓮聖人を突き動かしました。
しかし、世の中はそれを受け入れませんでした
日蓮聖人が国を憂い奏上した「立正安国論」が
幕府の逆鱗に触れたのです
罪人として処刑される日蓮聖人
執行人が日蓮聖人に刀を振りかざした瞬間・・・
江の島から稲妻が走り、刀は粉々に折れてしまいました
「日蓮聖人は罪人では無い」と
稲妻を放ったのは江の島の弁財天だったのでは・・・
幕府から使者が駆け付け、日蓮聖人は死罪を免れ
佐渡へ流罪となりました
龍ノ口は、日蓮聖人法難の地といわれ
龍口山には後に日蓮宗・龍口寺が建立されました
毎年、九月に「龍ノ口法難会」が行われ万灯が奉納
されます
鎌倉市は日蓮聖人ゆかりの地なのですね
由緒寺院を訪ねてみます