今回のいい寺は・・・
北野天満宮②です♪
北野天満宮の紋は梅と松だとお話しましたが、
梅と松にはそれぞれの物語があります。
天満宮の拝殿の両側には梅と松が植えられています
梅は成長力があり、絶えず枝を払わないと伸びすぎて
しまいます
木としての寿命は短いそうですが、弱った時は移植すると、
新しい根が出て回復するそうです
松は環境の悪い場所でもしっかりと根を生やして、風雪にも
動じません
どちらも私達に生き方を示しているような気がしますね★
「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花
あるじなしとて春を忘るな」
菅原道真公が、都を離れる寂しさを自宅の梅に託して
詠んだ歌です
春になって東風が吹いたら、香りを風に乗せて送って欲しい…
この梅の一枝が、主人を慕って大宰府天満宮まで飛んで
行きました。
その梅は『飛梅』と呼ばれて、現在15代目が花を咲かせて
いるそうです。
堀川通りから一之鳥居をくぐって真っ直ぐ右手に影向(ようごう)松
があります。
ここには、初冬より節分までの間に初雪が降ると、天神さんが
降臨し、雪見の歌を詠まれるという伝説があります。
その時は硯・筆・墨を取り揃えてお供えし初雪祭を行うそうです
この影向松は、まだ若そうです。
何代目でしょう?
※菅原道真公が、常に襟に掛けて護持されていた
仏舎利(お釈迦様の遺骨) が、初雪が降った日に
大宰府より飛来してこの枝にかかったと伝えられ、
以後この松を 影向松と呼ぶようになったそうです。
天正15年に太閤秀吉が、北野天満宮で大茶会を催しました
町人、百姓・・・誰でも茶の湯の心得のある者は参加できた
そうです
この日に合わせて沢山の茶室が造られ、太閤秀吉自慢の
黄金の茶室も拝殿内に持ち込まれました
茶会では、
『茶道具を持っていない者は代わりになる物でいいので参加する事。
参加しない者は、今後茶の湯を行ってはならない。』
という御達しもありました。
太閤秀吉らしい考えですね。
当時を偲ぶものとして秀吉が茶の水を汲んだ井戸が、
参道を外れた駐車場の中にあります。
今では茶の心得のある方しか足を止めないかもしれません
影向松の西側には茶室『松向軒』があります。
松向軒は、細川三斎が北野大茶会の折に建てた茶室の名ですね。
この茶会のために建てた茶室は、現在は大徳寺・高桐院に
移築され現存しています。
松向軒の名は、影向松の下に建てた事が由来だそうです。
松向軒の中に井戸があります。
汲み上げる滑車の造りに見覚えがありませんか?
大徳寺・高桐院の三斎井戸とそっくりですね
北野大茶会の時に細川三斎はこの井戸を使用したそうです。
ここでは毎月第二日曜日に月釜が掛けられて、どなたでもお茶を
頂けます。
命日の2月25日には上七軒の芸舞妓さんによる野点の点前が
あります
毎年12月1日には、社殿で献茶祭が行われます。
各産地の茶壷を奉納して、口切り式の神事を行ったものを
濃茶、薄茶用にひいて一服いただけるそうです。
400年の歴史がある献茶式の抹茶ですから美味しいでしょうね
参加費は5千円です
北野天満宮には、まだまだ逸話がありますが、次の機会にします♪
今度は、太閤秀吉の宝物館がある『豊国神社』に行ってみます
高桐院を訪問記はこちらです↓
いい寺【高桐院①】紅葉編→e-tera.net/Entry/36/
いい寺【高桐院②】紅葉と三斎井戸編→e-tera.net/Entry/37/
いい寺【冬の高桐院】茶室編→ e-tera.net/Entry/57/