今回のいい寺は・・・
春の彼岸です♪
この冬は、遅くまで寒波が来たのでいつまでも寒いような
気がしましたね
彼岸の入りの日ですが、水仙の花がまだ見られます。
今年は、水仙の花が咲くのが遅かったようです。
ギリシア神話では、美少年ナルシッサスが水面に映る我が姿に
見とれて、そのまま水仙の花になってしまったそうです
それで、自分の美貌に酔いしれる人を美少年ナルシッサスから
ナルシストと呼ぶそうです。
確かに水仙の花も少し下を向いていますね
彼岸(ひがん)は向こう岸という意味で西方浄土を表します。
私達が住む世界はこちら岸で此岸(しがん)と言います。
西方浄土には先祖がいますね。
お彼岸に先祖の供養にお墓参りをするのは、季節の変わり目に
彼岸と此岸で先祖と私達が向かい合うためです。
『向かい合えば心は一つになり、背を向ければバラバラになる』
と言いますね。
お彼岸はお墓参りに家族が集まる良い機会です
七尾の有名な和菓子屋の子だった辻口パティシエは、小学生の
時に友達の家で初めてショートケーキを食べたそうです
あまりの美味しさに皿までなめてしまいました
自分がこんなに感動する食べ物が世の中にある事を初めて
知ったそうです。
「この感動だ!洋菓子だ!」との想いからパティシエの道に
入りました。
会えなくなっていた父親の所在が分かり、入院している病院を
訪ねたそうです。
18年ぶりの再会でしたが、喧嘩別れになってしまいました。
そこで、自分の人生を賭けてコンクールで戦った作品『セラヴィ』
を作ってもう一度会いに行きました。
この『セラヴィ』を食べてもらいたいとの想いが通じ、『うまい』の
一言で全てが水に流せたそうです
辻口さんは、和菓子店・和楽紅屋を開店し、武者小路千家の
若宗匠とも交流を深めているそうです
信楽焼の水指です。
武者小路千家の家元に名を付けてもらったものです。
「共蓋の釉薬の雰囲気から珊瑚を連想する」と伝えたところ・・・
この水指に『涙』と名を付けてくださったそうです
『珊瑚枕上両行の涙、半ば是れ君を思い半ば君を恨む』
という漢詩から【涙】の一字を頂きました。
一つの涙にも色々な意味が含まれています。
恨む涙も転じて想う涙に変わるかもしれません。
一服のお茶が心を和ませるように
お茶の点前では、水指が共蓋の場合、蓋に水を掛けて
茶室に運びます。
そして、点前の最初にその水を建水に切ります。
※建水・・・要らなくなった水を捨てる容器の事。
信楽焼や丹波焼の水指を使用する時には前日から水指を
水に漬けて水指自体にたっぷりと水を含ませます。
そうする事により美しく見えるそうです
蓋に水を掛けるのも美しく見せるためですね♪
「この水指を使用して悲しみを涙と共に流して晴々とした
気持ちになってください。」
『涙』の名にはそんな意味も含まれているような気がしました。
彼岸と此岸の間には川が流れています。
私達もお彼岸にお墓参りをして、心の垢を水に流したいですね
『争いごとも水に流せば浄の字になります』
皆さん円満に!ですね