今回のいい寺は・・・
東寺(3) 東寺と弘法大師・空海です★
東寺の講堂です。
朱色の建物で屋根は一層になっています。
白壁で覆われたシンプルな感じの建物です。
中には、外観からは想像出来ない程素晴らしい仏様が
祀られています
シンプルに見えるのは、建物のバランスが良いからでしょうか。
よく見ると屋根の軒下は重厚な造りになっています。
軒下から屋根を支える桁(けた)が二段になっています。
(2本の桁がはしっているのがわかりますか?)
この桁が天秤の支点の役目をしているのです。
屋根の軒が天秤となって外にせり出し、屋根を大きくする事が
出来ます。
日本の建築には、桁が三段になっているものもあります。
相当大きな屋根になりますね!!
格式のある建物や塔は、桁を三段目まで組むそうです。
お寺に行ったら軒下から見上げてみてはいかがでしょう
軒を支える組物の力強さと美しさを堪能できるかもしれません
柱の臍(ほぞ)に楔(くさび)が差し込んであります。
楔と柱の中には、外から見えない細工がしてあります。
その細工と屋根の重みで差し込んだ木は絶対に
抜けないそうです
全てが計算された造りで、丈夫な建物となっています。
これを棟梁(とうりょう)が頭の中で図面を描いて建てるのですから
まさに職人技という感じですね
堂内に祀られた21体の仏像です。
柱の朱色が鮮やかですね。
仏像は中央の大日如来を中心とした四方の如来、
手前の金剛波羅蜜菩薩を中心にした四方の菩薩、
奥の不動明王を中心にした四方の明王に分かれて
三つのグループで構成されています。
そして、周りを四天王と梵天と帝釈天で護っています。
仏像で立体的に曼荼羅を形成すると仏の世界が分かりやすく
なりますね
※曼荼羅は言葉では伝えきれない仏教の世界観・宇宙観を
形にして表したものです。
曼荼羅の中心佛《大日如来》です。
大日如来は宇宙そのもので、全ての仏の根本となっています。
そして、弘法大師・空海が日本に伝えた真言密教の本尊です。
真言は《真実の言葉》という意味で、仏の言葉を表します。
金剛界・大日如来の真言は「オン・バザラ・ダド・バン」です。
意味を考えるのではなく、その真言を唱える事が重要だそうです。
弘法大師・空海が祀られた御影堂にある護摩供の道場です。
真言宗は経典や曼荼羅を通して密教の真理を学び護摩を焚く
そして真言を唱える実践を行っていく事が信仰の柱となっています。
弘法大師・空海は東寺を真言宗の根本道場にしました。
天台密教を《台密》と称するのに対し、真言密教を《東密》と
称します。
真言宗の密教は東寺を基盤としたので《東密》と呼ばれるそうです。
弘法大師・空海が祀られている御影堂の外観です。
金堂、講堂の力強さとは対照的に、柔らかい雰囲気の杮葺きで
棟の低い建物が
「弘法大師・空海は身近な存在ですよ」と私達に伝えているようです。
弘法大師・空海は、宗派の垣根を越えて、広く多くの人々に信仰
されていますね。
東寺にはまだまだ拝観するところがありますが次の機会にして
京都市内を散策してみます