今回のいい寺は・・・
尾張徳川家と定光寺です♪
豊臣秀吉が生まれた名古屋市中村区から庄内川を上っていくと、
多治見市(岐阜県)と春日井市(愛知県)の境目の瀬戸市に
定光寺があります。
ここには尾張藩初代当主・徳川義直の廟があり、
尾張徳川家との関係が深いお寺です
名古屋城が敵に攻められたときには、堀川から庄内川へ出て
定光寺まで川に沿って逃げてくるようにと、境内には武器や
食料が備蓄されていたそうです
ここから美濃国(多治見市)に入れば敵も追っては来られない
でしょうね
石段を上って境内に入ると、正面に仏殿があります。
歴史を感じさせる杮葺きの仏殿と新緑が調和してとても綺麗です。
この仏殿が尾張徳川家の菩提所としての格式を感じさせます。
仏殿には地蔵菩薩が祀られています。
あの世に渡るときに下流に流されてしまわないように、
手を差し伸べてもらえるそうです
厨子のガラスに新緑が映し出されていました
弘法大師とお釈迦様が仲良く座っていました。
四国七十三番札所 出釈迦寺の本尊・釈迦如来の写しです。
弘法大師が仏門に入るかどうかを悩んで、深い谷底に身を投げて
釈迦如来の出現を願ったとき、釈迦如来と天女が現れて大師を
抱きとめたそうです。
その由来から一緒に祀られているのでしょうか。
こちらは弘法大師と薬師如来です。
四国七十四番札所 甲山寺の薬師如来の写しです。
四国八十八ヶ所は弘法大師にご縁のあるお寺を巡りながら
各寺院の本尊さんからご利益を頂きます。
お遍路さんの持つ袋には「同行二人」と書かれています。
「一人で四国八十八ヶ所を巡礼しても必ず弘法大師がついて
いますよ」という意味です。
八十八ヶ所の寺院巡った時には、
「本尊さんにお参りして、弘法大師の存在も感じてください」
という意味で並んで祀られているのでしょうか。
石の仏様も見つけました
石の上に座り腕を組んでいるように見えます。
境内には色々な仏様がみえて楽しいです♪
仏殿の裏から尾張藩初代当主、徳川義直の廟所に向かう
参道があります
獅子の門をくぐると、段々と周りの雰囲気が変わっていきます。
風雪から守るために周りを建物で覆っている為見えませんが
この門には、左甚五郎作の獅子の彫り物が飾ってありました。
樹木に覆われた木漏れ日の参道を上っていくと・・・
廟所が見えてきます。
山の中でここだけ明るくて、異空間のような感じです
廟の門は銅葺きで屋根の棟や四隅には鯱が飾られていて
さすが、尾張藩の初代当主の廟所だなと思いました。
徳川義直は尾張藩の基礎を築いて儒教を学んだ事から
廟所は龍の門、祭文殿(焼香殿)、唐門、墓所が一直線に
築かれた支那風の建築構成となっています。
ここも風雪から建物を守るために四方を板で囲んでありました。
徳川義直は鷹狩りの折に、定光寺に立ち寄って、景観の
美しさに心惹かれてここを菩提所としたそうです。
定光寺は紅葉でも有名です
秋に訪れるとまた違う景色の境内になるのでしょうね
今は静かな境内で郷土史を研究する地元の方が訪れて
いるそうです
司馬遼太郎の『街道を行く』の影響でしょうか。
身近な歴史を探ることが静かなブームになっていますね♪