今回のいい寺は・・・
虎渓山・永保寺です♪
新緑が眩しい多治見の山間部に虎渓山・永保寺が
あります。
山号は夢窓疎石がこの地に築いた草庵に掛けた扁額に
《古渓》と称したことに由来します。
現在の《虎渓》は、この地が中国江西省九江の南にある
『廬山の虎渓』に酷似していることから付けられました。
境内の臥龍池と観音堂です。
夢窓疎石は観音堂を建立した後に作庭に取り掛かりました
この地が修行の場となるように、自然の地形や景観を巧みに
利用して築造されています。
夢窓疎石の庭は、京都・天龍寺、西芳寺、山梨・恵林寺、
鎌倉・瑞泉寺など各地にあります
観音堂に祀られた聖観世音菩薩坐像です
この観音菩薩は室町初期の作と伝えられています。
観音菩薩のを納めた厨子は、土岐川の流木を寄せ集めて
作ったそうです
観音堂の隣に岩肌が見えていました。
この岩・梵音巌の上から落ちる水瀑を《梵音の滝》といいます。
梵音は仏の声という意味があります。
岩肌を浸みるように落ちる滝の音が観音菩薩の声となるの
でしょうか
観音堂を近くから眺めてみました。
建物は、真言宗の東寺のような力強さは感じませんが
シンプルながらも屋根の四隅が天に突き刺さるように
そり上っていて、特徴的ですね。
禅宗は中国から伝えられた宗派ですから、屋根の反り方が
中国風なのでしょうか。
観音堂から修行僧が出てきました。
禅宗では修行僧のことを雲水(うんすい)と呼びます。
《雲が行くが如く水が流れるが如く自然に従って歩んでいく》
のでしょうね!!
禅堂です。
雲水が修行と日常の生活を行う場所です。
訪ねたときは修行中だったのでしょうか?
観音堂で読経していた雲水以外、人の気配を感じません
でした。
臥龍池の中ノ島には弁財天が祀られています。
この池と山並みがひとつになって、見渡す限り虎渓山の
境内であるかのように思えました
ここは下界と離れた《仙境の地》という雰囲気ですね
爽やかな空気の中で散策したら、雑多な日常を忘れて
気分が晴れ晴れとしました
観音堂の杮葺きの屋根の端が傷んでいました。
最近、アライグマが屋根をかじって悪戯をするそうです。
仙境の地として開いた虎渓山が、今はアライグマの
生息地となっています。
池泉回遊式庭園の中心に掛かる《無際橋》です。
観音堂側の彼岸(観音浄土)と此岸(私達が住む世界)とを
結ぶ橋です。
この橋の真ん中に屋根が付いています。
ここで交われば、彼岸も此岸も無くなるという事でしょうか。
ここから梵音の滝の音を聞くように耳を澄ませると
自然の声が聞こえてくるような気がしました
見渡す限りの自然と一体になることが《夢際橋》の意味
なのではないでしょうか・・・
『心にしみる自然の声』それが梵音の滝の音なのでしょう。
聞く耳を持ち、相手の気持ちを察する心があれば、
仲たがいすることも、仲間はずれにすることもないですよね!
多治見市にはカトリックの修道院もあります。
次は、多治見修道院に行ってみます