いい寺★大阪《四天王寺》(1)

今回のいい寺は・・・
大阪の信仰の中心地四天王寺》です。

四天王寺は聖徳太子によって建立された寺院です。
飛鳥時代に建立した寺院で《太子の寺》として代々権力者が
帰依してきました。

大阪の中心にあるため度々戦火に見舞われて焼失して
しまいましたが、その度に直ぐに再建されました
度重なる災難に遭いながら、多くの信仰を集めたことが
うかがえますね

江戸時代に焼失した折には、幕府の力を借りずに大阪町人の
財を集めて再建されました。
そのことから大阪庶民の寺大阪の仏壇》といわれています。

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四天王寺は三門、五重塔、金堂が一直線に配置され、
周りを回廊で囲む飛鳥時代の伽藍形式をしています。

全国には聖徳太子に関係した寺院が沢山ありますが、
聖徳太子が建立した寺院は四天王寺と奈良・法隆寺
2ヶ寺です。
法隆寺は、世界最古の木造建築物として当時の伽藍を
遺しています。
四天王寺は、度重なる焼失と再建を繰り返しながら
当時の伽藍を伝えています。

その歴史の違いから法隆寺は文化財として守られ、
四天王寺は時代に合った形で身近な信仰の場所
なっています。

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伽藍の講堂です。
静かに、そして一心に手を合わせて拝む方がみえました
ここは、歩んだ歴史の違いから、法隆寺のように観光で
訪れる人よりも、家族の幸せや先祖の冥福を願う参詣者が
多いですね

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伽藍中央の金堂です。
堂内には救世観音を中心に四天王が祀られていました。
ここで塔婆(とうば)による祖先供養が行われます
四天王寺の僧侶が、戒名を唱え先祖のご供養をしていました。

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ここでも信者さんが、一心に手を合わせてお参りしていました。
皆さんの思いが先祖に伝わると良いですね

塔婆の語源は、インドのサンスクリット語で「ストゥーパ」です。
ストゥーパは、お釈迦様のお墓で《仏舎利塔》とも言います。
ストゥーパには「積み重ねる」という意味もあります。
この塔婆に戒名を書いて追善供養を積み重ねて亡き人の
冥福を祈ります。
※《仏舎利》とはお釈迦様の遺骨のことです。

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五重塔です。
最初の建立から八代目の塔です。

お釈迦様は《私ではなく、私の教えを信じなさい》と言って
亡くなりました
それから500年間、お釈迦様の姿を形で表す事はありませんでした。
その代わりに《仏舎利塔》や仏足跡蓮の花でお釈迦様の
存在を感じ、信仰の支えや心のよりどころとしました。

そして仏舎利塔は、中国から日本に伝わり五重塔などの
塔になったそうです

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塔の中は螺旋階段になっていて最上階まで上れます。
壁には塔の形をした位牌が祀られていました。
木造と鉄骨の建物の違いは、外観からでは分りませんが
内部は全く違いますね!

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最上階に仏舎利が祀られていました。
聖徳太子が創建したときには、塔の礎石心柱の中に
仏舎利六粒自らの髻髪(きっぱつ)六毛を納めたそうです。

仏舎利は紀元前2世紀、阿育王(アショカ王)が仏教を世界的
宗教にするため、王舎城大宝塔から仏舎利を八万四千
分けて各地に派遣された僧が仏教伝播とともに広めました。

日本では東京・浅草寺名古屋・日泰寺などにも仏舎利が
祀られています

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亀井堂の井戸です。
この井戸は聖徳太子の時代からあるそうです。
金堂の基壇下の青龍池より引いた清水が亀の口から出ています。
金堂で供養した塔婆をここに持ってきます。
塔婆をこの水で清めてこの世の垢』を流しているようでした。

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水供養により亡き人が清められて安楽往生するのでしょう
亀の甲の水盤の中に入れた塔婆は直ぐに浮いてきます
それを見て家族は「ああ、これで浮かばれた」と思うそうです。

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ロウソクの灯りが幻想的でした
闇路を照らす灯明で、道に迷わない様にとの願いでしょうか…

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亀井戸の本尊・地蔵菩薩は私たちが困っているときや、
亡き人が迷っているときに救いの手をさしのべる仏様です。

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ここでは、女性職員が一生懸命に塔婆の供養をしていました。
地蔵菩薩に代わって、この役を務めているようですね。

寺院にお参りするときは、自分の事よりも先ず先祖の供養や
亡き人の安楽往生を願いますね。
それが仏教の良いところで、相手を敬う気持ちが自然に
芽生えてきますね

四天王寺の散策は続きます

※浅草寺《仏舎利塔》についてはコチラ↓
 いい寺「浅草寺①」
 e-tera.net/Entry/6/

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