今回のいい寺は・・・
和宗本山・四天王寺です♪
四天王寺は聖徳太子によって創建されてから今日まで
太子信仰、舎利信仰、浄土信仰を大衆教化の柱にしてきました。
四天王寺には平安時代から鎌倉時代に起きた宗派の開祖が
こぞって参籠(一定の期間こもってお祈りする)した事でも有名です。
特に最澄がここに借住してから天台宗との関係が深く、
戦後まもなくまでは天台宗に属していました。
現在は「聖徳太子の寺」の原点に戻り、天台宗から独立しています。
そこで、聖徳太子の十七条憲法の第一条
「和を以って貴とし、忤(さからう)ことなきを宗とせよ」
から《和》の一字をとって『和宗』本山となっています
亀井不動です。
聖徳太子が亀井の水を覗かれるとそこには不動明王の御姿が
映っていたため、ここに不動尊を祀ったのが起源とされています。
みなさん水をかけてお参りしていました。
台座に付いた深い緑の苔が信仰の深さを感じさせますね
境内には、聖徳太子にご縁のある仏様以外にも、四天王寺に
参籠した各宗派の開祖が祀られていました。
和宗とは、日本の仏教の『和』という意味もあるのでしょう。
伽藍内の講堂では、天台宗・最澄、真言宗・空海、時宗・一遍、
融通念仏・良忍、浄土真宗・親鸞、臨済宗・栄西の法要を順番
に行っています。
境内では、写生会の人たちが作品について談笑していたり・・・
参詣者が弘法大師に向かって般若心経を唱えていました
四天王寺は四国八十八ヶ所の番外です。
「同行二人」八十八ヶ所の巡礼は弘法大師と一緒に歩む事です。
弘法大師の杖から伸びる紐を通して、それを感じるのでしょう
弘法大師空海はここに借住して、西門で西の海に沈む夕陽を
拝して、西方極楽浄土を観想する(思い浮かべる)《日想観》と
呼ばれる修行を行いました
四天王寺の西に建つ《極楽の門》です。
この門への参道がメインストリートとなっています。
門の向こうに鳥居が見えました
写真は境内から見た極楽門の裏側ですが、西方浄土を観想する
時には、こちらが入口になり、表側となるのでしょう。
昔はこの近くまで海で、春、秋の彼岸・中日には鳥居の方向の
水平線に太陽が沈みました
彼岸の中日には日想観の法要が行われ、多くの参詣者が
西に向かって手を合わせるそうです
西門・石の鳥居の扁額には『釈迦如来転法輪処 当極楽東門中心』
と記されていました。
空海の後、最澄が借住してからは天台浄土思想とも結びついて
極楽浄土の東門として四天王寺は浄土信仰の中心となりました。
鳥居も境内に入るときは手前の門ですが、拝むときは奥の門という
ことになりますね。
中心伽藍の北に鐘楼があります。
このお堂の鐘は《引導の鐘》といいます
鐘の音は遠く極楽まで響き、彼岸には先祖供養のための
鐘の音が絶えないそうです。
極楽に導く鐘の音は、鳥居の向こうの浄土に響くのでしょうか。
それとも五重塔に祀られた先祖に向けて響くのでしょうか・・・
四方に響きわたる鐘の音は私達の心も含めて、全てに届くの
でしょうね
掲示板には聖徳太子の御言葉が書き記してありました。
今の世の中、垣根を作ったり、仲間を区別したりすることが
多いですね。
以前に「勝ち組」「負け組」と線引きする言葉もありました。
『賢い愚かは丸い輪に端がないように決められません』
人生は勝ったり負けたり、賢かったり愚かなことをして反省したり…
ただ、過去を引きずらずに前向きに歩みたいですね。
今度は、四天王寺の西、茶臼山に行ってみます