今回のいい寺は・・・
浄瑠璃寺門前を散策です
浄瑠璃寺の前には新鮮な野菜の直売所がありました
たまたま通りがかったそば屋さん《吉祥庵》
浄瑠璃寺の秘仏・吉祥天から名称が付いたのでしょうか。
雰囲気がとても良さそうなので入ってみることにしました
《せいろ蕎麦》を頂きました。
浄瑠璃寺の湧き水と、北海道や福島のそば粉を使用
した細麺はこしがありとても美味しいです
看板があまりにも味わい深かったので《くずきり》も
頂くことに
もちもちとしたくずきりはやはり《吉野葛》を使用されて
いるそうです。
なめらかな口当たりとつるんとした食感がたまりません!
蜜も甘くてとろとろでした
ご主人は
「そばも葛も素材の良し悪しで決まる。
あとは手を加えなくても美味しいものが出来るよ。」
とおっしゃっていましたが、材料はお金を出せば手に
入りますよね。
しかし大事なのは、それを調理する料理人の技量であり
腕であり、心であると思います
人を喜ばそうと懸命になって調理する・・・
心を込めて作れば人を感動させることができる
ものですよね!
テーブルの脚がユニークですね
廃校になった学校の工作室から譲り受けたもの
だそうです。
温かくどこか懐かしい雰囲気のたたずまい
築120年以上という奈良の古民家を譲り受けた建物です
移築先を探すのに困ったそうですが、浄瑠璃寺の和尚さんの
ご好意により門前の土地を借りているそうです。
茶室の床の間にはかわいい小手毬が活けてありました
土と一緒に練った藁が模様となり、すすけた感じと
合わさって味わいのある壁になっています。
そして壁が花の白さを引き立たせていますね
今朝摘んだ瑞々しい花が、あちらこちらに活けて
ありました。
お客様を『心』で迎える、こうしたちょっとした気遣いが
日本古来の《おもてなしの心》なのでしょうね。
私達も商売をしているわけでなくても、このような
おもてなしの心を持って豊かな心で生きていきたい
ですよね
にじり口から見える緑が爽やかですね
お店のご主人が作られた花入れに飾られた一輪の花が
なんともかわいらしいですね
素朴な味わいの器には野花がよく似合いますね!
ここにも、ご主人の温かいおもてなしの心を感じられます。
先日新聞で、あるファッションデザイナーが日本人が
昔から大事にしてきている《おもてなしの心》について
語っていました。
《おもてなし》とは「わざわざ・いちいち」といった事だそうです。
それを、大変と思わず、自然に行うことができたら
良いですね
このように生活に根ざした「美しい日本の文化」は
しっかりと受け継いでいきたいですね。
お店の中には骨董の目利きとして知られている
白州正子さんとのお写真が飾られていました
この建物を譲り受けても移転費用が無かったそうです。
そこで、友人と建てているときに職人と間違えて声を
かけた人との縁で焼き物の世界に入っていったのだ
そうです
その方の所有していた信楽焼の水差し《鬼桶》に
魅せられて陶芸の道に入られたそうです。
そこから白州正子さんに認められて、今はご主人の
作った骨壷の中で彼女は永遠の眠りについて
いるそうです
団扇の飾りが涼しげですね♪
土間まで箒の目がついてしっかりと掃いてありました。
飲み易そうな口元の黒樂茶碗ですね
手びねりというシンプルな工程で作られています。
人の手にすっとなじむようなデザインですね!
シンプルだから作者の心が茶碗に出やすいのでしょうね。
黒い器というのは日本にしかないそうです
薄暗い茶室の中で、黒い茶碗を手にしたら、茶碗の
存在は消え、お茶そのものを手で頂いているような
錯覚を起させますね
茶のみを際立たせ、その他一切のものを消し去ろうと
するのでしょう。
黒樂茶碗の箱には浄瑠璃寺の和尚さんが付けた銘「遠霞」と
書いてありました。
「遠霞」は春の季語です。
春の山々が霞がかって見えるという意味です。
この黒樂茶碗でお茶を頂きながら、その情景を思い浮かべて
ください、と銘が付けられたのでしょう
私は、ふと春に訪れた臼杵からみえた島を思い出しました。
ご主人の守田蔵さんです。
気さくな方で、器のこと、花のことなど色々と教えて
頂きました。
「茶道具は選ぶときりがないので《道楽》でやっている」
とおっしゃっていました。
樂茶碗の黒が一番好きだそうです。
数ある茶道具の中でも《茶のための道具》黒樂茶碗に
魅了されてらっしゃるのではないでしょうか。
吉祥庵から見える
「浄瑠璃寺の三重塔も綺麗で眺めが良いでしょう。」
と教えてくださいました。
境内を散策したときも、自然が多い境内だなと感じ
ましたが、離れた場所から眺めてみてもまさに自然に
囲まれたお寺だという事がよく分かりますね
「境内はみなさんのものであり、御堂に上る時にだけ
拝観料を頂く」
浄瑠璃寺はそうゆうお寺ですよ、とやさしい目で話して
くださいました。
若い和尚さんがお花を活けていた話をすると、最近では
フラワーアレンジメントが流行り、華やかに活躍する
華道家がみえますが、
「本来お花は本尊さんにお供えするものですよ。」
とも教わりました。
自然に囲まれた場所にある奈良のお寺散策は、とても
気持ちがいいものでした
浄瑠璃寺は境内を通して自然の見方や恵みを
教えてくれました。
次は、自然と共生をテーマにした2005年愛・地球博
の跡地 モリコロパーク、サツキとメイの家に行ってみます