いい寺《羅漢寺》(2)信仰の寺

今回のいい寺は・・・
信仰の寺・羅漢寺です。

羅漢寺は修験道の道場として開かれたお寺です。
臨済宗の和尚さんが五百羅漢を彫って祀った頃は
羅漢寺への道は、とても険しいものでした
信者は大変な思いをして境内にたどりついたそうです。
この険しい山を登る人々の信仰心は相当に厚いもの
だったのでしょう。
そして、仏様にすがる気持ちも大きかったのでしょうね

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羅漢寺の頂上から見た参道です
ある和尚さんが言っていました。
「迷いや悩みは誰にでもあり、それを誰かに聞いて
 もらいたいと思う。
 実際にそれを持って寺に訪ねてきて、そのことを
 打ち明けることが出来たら、その問題は半分以上
 解決している。」

登る力があれば、そのこそが悩みを解決していく
エネルギーとなるのでしょう
私たちも様々な困難や障害にぶつかったとき、
「何とかしたい」という切なる思いや《エネルギー》だけは
しっかりと持って強く生きていきたいものですね

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羅漢寺の向いには「古羅漢(ふるらかん)の景」と呼ばれる
峰があります。
この峰には、付近から一夜にして飛来したといわれる
阿羅漢が整然と並んでいます。
国東半島の熊野磨崖仏や臼杵の磨崖仏と同じように
石仏を祀り、自然に対する信仰が盛んに行われて
いたのでしょう。
羅漢寺は、対照的に自然のままの道場という感じですね。

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羅漢寺の歴史は大きく三つに分かれます。
険しい道を歩み羅漢寺へ来ることを課した天台宗の時代。
五百羅漢等の石仏を祀り境内の形が整った臨済宗の時代。
遍く信仰者を受け入れた曹洞宗の時代。
信者にとってのターニングポイントは禅海和尚が
青の洞門を掘ったときでしょう

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青の洞門により羅漢寺は《修行の寺》から《信仰の寺
へと変わっていったのでしょう。
そして、今はより多くの参詣者が訪れられるように
リフトが稼働しています。

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羅漢寺名物のしゃもじが至るところに貼り付けて
あります。
訪れた人は阿羅漢さんに救ってもらおうと、ご飯を
すくうしゃもじに願いを書いて奉納します

 

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阿羅漢さんは修行で自分のアカ(悩み)を捨てた上で、
お参りに来る人々がしゃもじに書いた《願》というアカ
すくってくれるそうです
阿羅漢さんも自身の解脱(小乗)だけを求めるのではなく
全ての人の救済(大乗)のために願いを聞いてくれます。
本来、仏教は分け隔てなく大衆を救うということが
大切な教えとなっています。
 

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しゃもじに願いを書いて奉納するときに大切な事が
あります
賽銭箱には「大喜大捨」と書かれています。

喜捨とは、我欲を捨てて社会に貢献するという意味です。

しゃもじに書いた自分の願だけでなく、周りの人の願
叶えられるように手を合わせましょう

そして、
「欲張らなければ自然に願いが叶いますよ」と無漏窟
から聞こえてきそうです。

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三途の川の脱衣婆さんがいました。
あの世に渡る前にを捨てさせるのが、お婆さんの
役目です。
欲を捨てた人には、証として六問銭を渡します

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「地獄箱」が置いてありました

欲や悩みが多いと三途の川の下に流されて地獄に
落ちてしまうといわれています
そこで、この世にいるうちに欲や悩みを書いて捨てる
のでしょう。

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欲や悩みや罪が大きくて、この世ではとても捨てきれない
と思うときには、お地蔵さんにすがるそうです
お地蔵さんが最後に全ての人を救い、彼岸・西方浄土
送ってくれるそうです
羅漢寺には千体のお地蔵さんがいますから安心ですね

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羅漢寺の本堂です。
屋根に櫓がある珍しい建物ですね

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櫓からの眺望です。
遠くの山並みまで見渡せました

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ひとのために》と道無き道を掘削し人が通る道を作って
くれた先人がいるからこそ、私たちはこの素晴らしい景色を
眺める事ができるのですね!

私たちはひとから多くの恩恵を受けていながら、他人に
無関心であったり、迷惑をかける人がいます。
「満足や幸せは自分だけのものにしたい!」
という自分中心の考え方をするのではなく、幸せは
自分の周りの人とも共有したい
ものですよね

次は子供の健康と成長を願う《地蔵盆》についてです♪

 ※青の洞門についてはコチラ↓
 e-tera.net/Entry/149/

六問銭についてはコチラ↓
 いい寺★徳川家と真田幸村
 e-tera.net/Entry/124/

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