山国川をくだって

今回のいい寺は・・・
山国川を下ってです♪

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山から染み出た水は、耶馬溪の清流となり大地の
栄養を含みながら山国川へとつながっています

清流がキラキラしてとても気持ちの良いところでした

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羅漢寺からの眺望です
麓を流れる跡田川は山国川の支流です。
大分県は「とよのくに」といわれるほど自然が豊かなところですね。

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ずっと向こうまで山並が続いていました。
人々は畏敬の念を持って山の恵みを頂いて暮しています

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山国川の中流には《青の洞門》があります。
景勝地の青の洞門の対岸は、緩やかな丘陵地となっています。
左側は人々が生活する世界で、右側は険しい岩肌が見え、
阿羅漢さんが修行する羅漢寺へとつながっています。
この岩山から羅漢寺の境内が始まっているようでした。

仏の教えに触れ、理想の自分へと近づきたいと願って人々は
険しい山の上にある羅漢寺へと向かうのでしょうね
大変な思いをして辿りついたとき、目の前に素晴らしい景色が
広がっていたら、悩んでいたことも「ちっぽけなものだった!」と
気づくことができると思います
帰り道はすがすがしい気持ちで下ることができますね

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下流に向かうにつれて平地が広がり、豊かな穀倉地帯
となっています。
耶馬渓や羅漢寺の下流では人々が自ら大地を切り開き
穀物を育て、生活の糧としています。

そして川が上流から養分を運び海に広がっています。
その海の恵みを私たちは頂いていますね。

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山国川の下流は福岡県と大分県の県境となって河口まで
続きます。
河口付近が中津市の市街地となります。
中津は戦国時代には豊臣秀吉の九州征伐の後に黒田如水の
領地となり、山国川の河口付近に中津城を築城しました

その後、黒田氏は福岡藩へと移り、細川氏(細川忠興)、
小笠原氏、と藩主が変わりました。
江戸時代の中頃に京都・宮津より奥平氏が入封して
明治の廃藩置県まで治めました。

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愛知県・長篠城で中津藩の船印を見つけました
奥平氏は戦国時代に鉄砲の威力を世に知らしめた
長篠の合戦》の地にあった長篠城の城主でした

合戦の折には織田・徳川方の武将として武田軍の猛攻を
しのぎました
その功績から当主は徳川家康の長女・亀姫を妻に迎え、
織田信長の「信」の字を頂き《奥平信昌》と名乗りました。
黒田氏、細川氏、奥平氏と有力大名が治めたことからも
中津は重要な場所だったことがうかがえますね

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中津藩6代当主 奥平昌暢の書「足るを知る」です
徳川御三卿・一ツ橋家の娘と結婚しましたが、わずか24歳で
この世を去りました。

父・昌高はシーボルトと交流が深く自らも2種類の辞書を
刊行しています。

中津藩は学問に力を入れていました
藩医で「解体新書」を刊行した前野良沢、九州で最初に解剖を
行った村上玄水など多くの学者や医者を輩出しました
そのことから、中津は蘭学の里といわれています。

足りないと思って知識をめいっぱい詰め込んでしまうと、
新しいものを入れる余裕がなくなってしまい、視野をも
狭めてしまいますよね。

遊びがあるくらいがちょうどいいのかもしれませんね♪

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中津城から周防灘を眺めた風景です。
この地の出身者といえば福澤諭吉ですね!
慶應義塾の創始者として日本の教育の基礎をつくりました。
蘭学を推奨していた中津藩の土壌が彼を育てたのしょう。

時勢とはいえ、やはり中津は古くから交通の要衝であった
ことも影響したのでしょう。
長崎から入った西洋の情報は、先見性に富んだ先人たち
によって当地に広まり、さらに港からは上方の文化も
もたらされたそうです。
進んだ文化や情報が中津にはあったからこそ、志の高い
人材が育まれたのだと思います。

私財を投じて耶馬渓を、そしてその先の豊前海を守った
福澤諭吉の志のおかげで私たちは自然に癒され、
海の恵みを頂くことができるのですね

後に中津城は福澤諭吉の進言により御殿を残して取り壊し
奥平家は江戸時代との決別をしました

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奥平昌恭氏です。
中津藩最後の藩主・奥平昌邁の長男です。
奥平昌邁は慶應義塾に入学し、家臣であった福澤諭吉の
勧めによりアメリカに留学したそうです

昌恭氏は伯爵、貴族院議員として大正時代に発生した
中津の大火災において復興に尽力したそうです
そして、当主として長篠の合戦350年祭に臨席しました。

次は、愛知県奥三河の長篠城に行ってみます

※福澤諭吉が私財を投じて守った耶馬渓についてはコチラ↓
  e-tera.net/Entry/148/

※青の洞門についてはコチラ↓
  e-tera.net/Entry/149/

※羅漢寺についてはコチラ↓
  e-tera.net/Entry/151/

 

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