今回のいい寺は・・・
徳川時代、天領の町として栄えた日田を訪れました♪
その昔、九州の山里にウォール街がありました
大分県日田市豆田町は小さな盆地で、まわりを杉の
美林が囲み、いくつもの清流を生んでいます
ゆったりと流れる三隈川のほとりには、肌もすべすべになる
日田温泉があります
そんなのどかな水の郷に九州きっての商人町がありました。
今でも蔵づくりの商店や土壁の長屋建築などが残っていて、
昔懐かしい町並みを町の人たちが守っています。
タイムスリップしたような町並みというと、ぽっかりと穴の
あいたような静かなたたずまいが思い浮かびますが、
豆田町は活気にあふれています
町がもっとも繁栄した江戸時代には、幕府の許しを得た
「掛屋」という金貸業が栄えたそうです
草野本家で話を聞くと、九州各地から藩の財政を預かる
ご家老がお金を借りに来たと教えてくれました。
借りられるまで泊りこみで交渉し、それでもダメだと
切腹・・・の憂き目にあった人もいるというから、昔も
今も宮仕えはつらいですね
草野本家にある320年前の建物だそうです。
草野氏は元々平安時代から続く筑後の豪族でした。
豊臣秀吉の九州征伐の際、敗れたために久留米市草野町
から日田に向かう日田街道を通ってこの地へ落ちのびた
そうです。
こちらでは京都や大阪から持ち帰ったという
たくさんの雛人形や文明開化を模した和洋折衷
スタイルの人形のコレクションを見る事ができます。
明治時代になって掛屋が廃止された後は、生活用品の
店が集まる商店街になりました。
その当時から製法を変えていない羊羹屋、カステラ屋、
ほかにも醤油屋など地元ご用達の店がいまでも健在
店先をのぞいてみると、常連さんとおかみさんが世間話を
したり、お互いの体を気遣ったりしていました。
古い長屋や土蔵を改装した蕎麦屋や素敵なセレクトショップも
あります。
豆田ロール粋のチーズロールケーキは大人気だそうです
マスカルポーネチーズがまったり濃厚で♪
ふわふわで一本いけそうなおいしさでした!
「千屋」で日田まぶしをいただきました
店主が三河の地で旅の疲れを癒した際・・・
出会ってしまった「ひつまぶし」♪♪
これは美味しい!と感嘆したけれど、天領日田の米、
水、薬味を用いたらさらに美味しくなったのだそうです
1膳目はウナギの蒲焼をごはんにまぶしてそのまま、
3膳目で出汁をかけて食べるのは名古屋のひつまぶしと
同じですが・・・
驚きの美味は薬味で食べる2膳目!
小鹿田焼の器に入ったゆず胡椒と大根おろしを
ちょこんとのせて食べると、驚くほど爽やかに頂けます!!
豆田の町で工夫をめぐらせ、三河と日田の地を結んだ
この味に感激してしまいました。
酢味噌で頂く肝もさっぱりしていてこの暑い夏に
食べたら元気になりそうです
木工芸や漆器、下駄を作る工房もありました。
ミュールよりも優しいので日常ばきの浴衣下駄を
お土産にしてもいいですね♪
日田は杉が有名で代表的な産業としては林業が盛んです。
昔から製材所や木工所が多くありました。
下駄も、そんな名産品の木工材料を使ったものです。
最近は下駄の需要も減り、産業は衰退してしまいました。
しかし手作りのものや自然を生かしたものには
温かみや風合いがありますよね!
日田では雛飾りをよく見かけます
かつて商人のあいだには、桃の節句になると、女の子の
いる得意先に雛人形を贈る風習がありました。
毎年、春になると家々が秘蔵の人形を店先に飾り
町は雛祭り一色になるそうです
漆喰の白い壁が夕日に染まるころ、町は急に
静かになります
宿で杉の下駄を借りて、もう少し歩いてみたくなります
古い土壁の家並み、色あせた屋根、石畳の横丁に
春の雛飾り。
そんな古き良き風景を探してぶらぶら・・
そんな余裕がなんだか贅沢に感じられます!
立ち寄った先で、思い切って話を聞くのもいいですよね。
「今晩の夕食をいただく料理屋さんを探しているのですが」
と聞いてみると、店の電話番号や地図どころかオススメの
メニューまで詳しく丁寧に教えてくれたりします。
自分の店をほったらかしにして、わざわざその前まで
連れていってくれたり!
人々のそんなやさしさに触れたときも、小さな町って
いいなぁと思います
懐かしい風景も魅力ですが、やっぱり大切なのは人
なのかもしれませんね。
次は、活気にあふれた日田祇園についてです♪