いい寺★修養会(2) 子供たちが学ぶこと

今回のいい寺は・・・
修養会に参加する子供たちです

DSC_1092.jpg

猛暑の中、芙蓉の花は力強く咲いていました
中国では、「蓮の花」を《芙蓉》と言います。
そこで、水の中に咲く蓮を水芙蓉、木に咲く花を
木芙蓉と言って分けたそうです。
日本では、蓮を芙蓉と呼ぶ習慣がありませんから
芙蓉といえば木芙蓉ですね!

芙蓉は朝に先、夕方には萎んでしまう一日花です
早朝に開花したときには本来の淡紅色で、夕方になるに
したがって次第に色が濃くなり、そして萎んでいきます。
その一日を大切に咲いて役目を終えていきます。

DSC_1031.jpg

参道の掲示板には、参詣者に伝える言葉が書いてありました
私たちは、どうしても過去にこだわり、先の先まで考えて
》を犠牲にしてしまいますね・・・

DSC_1076.JPG

昼に到着した子供たちは修養会の始まりの挨拶の後
早速、川に遊びに行きますが、父兄は和尚さんと
話をする時間を持ちます。
ここで子供の成長を聞いたり、相談を受けたりする
そうです。

DSC_1078.JPG

床の間には、「今日是好日」の掛け軸が飾られて
いました

今日、今という瞬間は二度と戻ってはきません。
この今一日を悔いなく精一杯生きてゆけることが
できれば、そこに好日があります。

子供たちの三日間の生活が好日となりますように

 

1c673d91.JPG

修養会の裏方です。
庫裏では、奥さんが子供たちの食事を作っています。
夏休み中つづく修養会の食事を賄うのですから大変
でしょうね!

DSC_1081.JPG

三升炊きの炊飯器で炊いたご飯を飯器に移します。
修行道場では、お米にを混ぜて炊きます
お米だけのご飯は、特別な日に食べるだけだそうです。
最近は、麦飯は健康食というイメージですね!

DSC_1082.JPG

おかずは、子供が好きな揚げ物とポテトサラダです。
ごちそうとはいきませんが、奥さんの愛情がこもって
います

DSC_1114.jpg

和尚さんが育てた野菜の漬物です
ご飯、味噌汁、おかず二品と漬物!
懐石料理一汁三菜と同じですね。

DSC_1090.JPG

折水器(せっすいき)と生飯器(さばき)と台拭きです。
折水器は、お茶の道具の建水と同じ用途で使います。
朝食と昼食の時は、ご飯を食べる前にご飯粒(生飯)
少し分けて、後で小鳥などの動物にあげます
その生飯(さば)を取る容器を生飯器といいます。

61362b15.JPG

器と箸を並べて、食事の準備が整いました

c3d895b6.JPG

食事の前に般若心経を読みます
修行道場では夕食の時にお経を読みませんが、
ここでは慣れるために読むそうです。
ポテトサラダを冷ますために扇風機が回っていました

DSC_1130.jpg

和尚さんから教わった通りに、給仕係の子供がごはんを
よそっていきます
合掌した手をこすって合図をします
食事を残すことは出来ませんから、自分で食べられる量を
最初に判断しなければいけません

DSC_1134.JPG

ご飯の次は味噌汁です。
汁をよそるのは、ご飯よりも緊張してしまいますね。
三日の間に順番で、給仕の当番が回ってきます。
みんな真剣に見ていました

DSC_1146.JPG

最後に漬物を配ります。
この他にも日頃の生活で経験しないといけないことを
体験しながら、大切なことを学んでいきます

DSC_1136.JPG

食事の途中にもご飯とみそ汁の給仕を行います。
給仕係が手を差しのべると、おかわりをしたい子供は
合掌をします
いらない子供は頭を下げます
食事は静かに行われて、給仕係は役目を終えてから
食事をします

DSC_1107.JPG

食事を終えて夜の行事の前のひと時です
子供たちはトランプ遊びをして和んでいました。
厳しいところと楽しいところのメリハリをつけて
修養会の日程は進んでいきます。

現代の子供に対する教育は、学校教育も家庭教育も
「勉強をさせる事」ばかりに目線がいってしまっているとも
言われます。

人間が生きていく上で、勉強から学んだ「知識」は必要
ですが、それ以上に、人の中で培った知恵》こそ
大事なものではないかと思います

具体的には、人と人の間で「ルールを守る事」や
マナーを守る事」、そして「誰かのために」という姿勢、
そういった考え方(知恵)ではないかと思います。
つまり、他者を思いやり配慮する気持ちを持てる事が
幸せにつながり、必要とされるという価値ある生き方に
なるのではないかと感じます

そういう意味では、子供たちにとって将来に役立つとても
良い機会になっていると思いますし、修養会に限らず、
地域の祭やコミュニティー、各団体の中での目的を
共有しての取り組みなどの大切さや必要性を感じました。

私自身はもう大人ですが、そういうことを大切にして
生きていきたいと思います

DSC_1108.jpg

手入れの行き届いた庭ですね
剪定も和尚さんの仕事だそうです
機械のバリカンで手早く刈り込んだ樹木は、削いだような
切り口で、綺麗に新芽が吹かないそうです

しっかり研いだハサミで丁寧に刈り込むと、隙間なく新芽
吹くそうです
人間も樹木もみな扱い方は同じですね!
こまめに丹精こめて手入れをしていかないと、いいものは
育っていきませんよね!!

このお寺の修養会の歴史は30年以上もあるそうです。
ここが好きになった子供は、冬休みも春休みも訪れて
お寺の生活を楽しんでいきます

また機会があれば訪問してみたいとおもいます

※懐石料理についてはコチラ↓
  桃の節句 雛祭り
  e-tera.net/Entry/76/

※生飯(さば)についてはコチラ↓
  いい寺★東林院で小豆粥
  e-tera.net/Entry/55/

 

カテゴリー: 子供の修養会   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>