侠客・清水次郎長

今回のいい寺は・・・・・
侠客・清水次郎長です。

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静岡から見た霊峰富士です
 
文部省唱歌 富士山
あたまを、雲の上に出し、四方の山を見下ろして
雷さまを下に聞く、富士は日本一の山
 
明治36年読売新聞で著名人千人を取り上げる「千人評」を
催した時、乃木大将、福沢諭吉らと並んで清水次郎長
取り上げられました。
 
そのなかで
「さぁ来いと、富士を背中に背負って立つ、男の中の男一匹」
と、清水次郎長を評しています
 
 

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富士山の前に広がる駿河湾です
対岸が伊豆半島です
駿河はアイヌ語で、トリカブトを意味します。
猛毒のトリカブトは、使い方によって薬にもなるそうです。
 
この湾は海底が深く暖流が入り込むため、沿岸と湾の
真ん中では気圧が違うそうです
沿岸では穏やかな海でも中心部に低気圧が発生する
ことがあります。
晴天でも台風のようなシケとなって航行する船に襲い
かかるそうで、トリカブトみたいに取扱いを間違えると
大変なことになることから駿河湾と名がつきました。
 
若いころの清水次郎長は、粗暴な振る舞いで世間を
困らせ、家族にとって駿河(トリカブト)のみたいで
扱いに難儀したそうです。

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甲州(山梨県)から駿河湾に注ぐ、富士川です。
戦国時代には武田信玄が甲州から富士川を南下して
今川氏を追い出し、駿河国を領地にした時期もありました。
甲州と駿河を結ぶ重要な川で、江戸時代にはこの水運を
使って甲州年貢米が清水港に納められ、塩が甲州から
信州に運ばれました

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安藤広重の描いた清水港です。

徳川家康が駿府城を築城した時には、清水港から巴川を
上って資材が搬入され大阪冬・夏の陣では、多くの徳川
軍勢が清水港から大阪に向かいました
 
兵員や物資の輸送に尽くした功によって富士川から駿府の
安倍川までの海上輸送は、全て清水港の廻船問屋だけが
取り扱う営業特権を徳川家康から与えられました。

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港には広大な幕府蔵屋敷が建ち、納められた甲州年貢米
千石船に積まれて江戸浅草河岸まで運ばれました
清水港は廻船問屋を中心に物資の集散地として栄えたそうです。
 

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清水次郎長の養父は、甲田屋という米屋を営んでいました。

 
清水次郎長は米屋の跡取りとして安定した暮らしを望む
ことなく博打場での刃傷沙汰から清水港を飛び出して
しまいます
 
西に向かった清水次郎長は、三河で路銀(旅費)に困り
寺津の治助親分の所で草鞋をぬいで、侠客の修行に
励みました。
腕と度胸を磨いて清水に戻った次郎長は、早速けんかの
仲裁という大仕事をこなして名が知れるようになりました。

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喧嘩の仲裁で男を挙げた次郎長一家の元には、多くの
渡世人が訪れました。
敷居を跨いだ渡世人は客として食事の世話をしますから、
数十人の飯を食べさせるうちに金回りは追いつかず質に
出す家財道具も無い状態が続いたそうです。

親分稼業も大変です。
私利私欲ばかりを考えていたらとても務まりませんね。
渡世人が出立の時には草鞋銭を持たせますから一宿一飯
の恩は、決して忘れないものでした。

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「切った、張った」の世界を生き抜き東海一の大親分
となった清水次郎長です。
義理と人情に厚い侠客・清水次郎長の活躍は、時代劇で
取り上げてご存じですね。
千人評で「富士を背中に背負って立つ」と評されたのは
後の活躍でした。
 
「勝てば官軍、負ければ賊軍」と言われ、徳川幕府を
倒して世間が湧くなかでした。
徳川幕府の家臣を引き受けて清水港で迎え、生活に困らない
に世話をしたそうです。
 
そして、大政奉還で将軍職を辞した徳川慶喜が静岡で
暮らすことになり、新門辰五郎に見込まれて清水次郎長は
警護役を任されました。
 
世の中が明治新政府、文明開化と進むなか歴史の
表舞台は知られていますが、江戸城開城後の幕臣の
行き先は知らなかったですね。
この功績が「富士を背中に背負って立つ 男の中の男一匹」
といわれ弱きを助け悪に立ち向かう清水次郎長の真骨頂
だったのです。
 
 

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清水次郎長は幕臣の就職先を斡旋するために三保の
塩田や有度山の開墾、相良の油田開発と色々な事業と
関わりを持ちました。
廻船問屋には蒸気船による横浜との定期航路開設を説き、
静岡茶の輸出会社設立に尽力しました。
私欲の無い次郎長は、自ら事業を行って財を成そうとは
思わなかったみたいです。
その代りに船宿「広末」を開業して、悠々自適な生活を
おくったそうです。
 
次は次郎長が若い頃、侠客の修行をした三河・寺津に
行ってみます
 
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