今回のいい寺は・・・
不思議な岩戸寺の修正鬼会です♪
天岩屋を連想させる 岩戸寺の岩屋
天照大神が天岩屋の岩戸を開いたとき・・・
八百万の神が住む高天原は、こんな感じに
見えたのかなー?
なんて想像してしまいます
岩戸寺では、旧正月の7日の晩に岩屋から
現れた「ご先祖様」が鬼となって下界に
向かいます
国東半島に1200年も前から伝わる重要無形民族
文化財「修正鬼会」です
私たちが節分の日に「鬼は外~!!」と
唱える鬼は平安時代以降の姿だそうです。
写真は名古屋・大須観音の節分会です
閻魔さんは、亡くなった人の名前を「鬼籍簿」
という名簿に記帳していくそうです
そこで人が亡くなる事を「鬼籍に入る」と言うそう
ですよ~
岩戸寺の入口で見つけた滝壺
実は国東半島で一番最初に訪れたお寺が
ここです。
あまりにも神秘的な場所にしばらく見とれて
いたことを覚えています
「修正鬼会」の初めに、鬼を迎える役の人たちが、
身を切るような寒さの冬の夜に、なんとこの滝壺に
飛び込んで心身を清めるのだそうです
岩屋の下に薬師如来を祀る講堂があります
岩屋から現れた鬼は、この講堂へ向かいます~
ガランとした講堂ですが、修正鬼会の時には
近隣のお寺の住職や信徒が集まって行事が
盛り上がります
鬼と迎える役の人達が松明を持って踊ります
国東半島の修正鬼会は「鬼を追い払う」のではなく、
「鬼籍に入って成仏したご先祖さまに会い、
ご先祖さまと楽しく過ごす」というものです。
国東半島の人たちは不思議な魅力のある自然の
中にご先祖さまを感じ、大切に守ってきたのかも
しれませんね
講堂での儀式が終わると境内を飛び出して
「鬼はよ~、来世(らいしょ)はよ~」と
叫びながら家々を回ります
家に入ると仏壇にお参りして、無病息災の祈祷を
行います
ごちそうやお酒をおよばれすると次の家へ~
深夜までまわり続けた鬼は、最後に講堂へ戻って
行事が終わります。
そして、ご先祖さまはあの世に戻り、岩戸は
閉じられます
岩戸にご先祖さまの戒名が彫ってありました。
その前にちっちゃな観音様がちょこんと
初夏に訪れた講堂はひっそりとしていました。
木漏れ日に茅葺き屋根の草が光っていました
「神仏習合とは、神と仏との出会い。
これは自然の中に神を見る信仰と、
人間の生き方を求める仏の道が
調和されているということ。」
だそうです。
宇佐八幡神は仁聞菩薩に化身して、
武塔神はスサノオや薬師如来に化身しました。
「化身」は土地に合った姿に変わって融合して
いくことですね。
そして、神仏は人々の信仰によって根付いていき
長い年月の間に風習や文化という実をつけるの
でしょう
木曽の馬篭では、幕末から明治維新へと時代が
移り変わる中、島崎藤村の父は王政復古の志を
持って変化を求めました。
神仏習合以前の純粋な神道の国を求め、
全国的な廃仏運動へと進みました
寺院の建物や仏像が破壊されましたが、
各地の風土に根付いた人々の信仰心まで
変えることはできませんでした
そして、王政復古の波は「隠れキリシタン」の
いた長崎地方にも押し寄せました
次は、隠れキリシタンの苦難の歴史が残る
五島列島へ小型機に乗って行ってみまーす
☆SPECIAL THANKS:FORE☆