今回のいい寺は・・・
恵心庵「垣根のない御堂」です♪
愛知県扶桑町、名古屋市から車で北に
一時間ほど行った場所に「恵心庵」という
小さな御堂があります
先日、遠藤周作の「沈黙」を片手に五島列島、
殉教の丘のある長崎を訪れました
キリスト教の弾圧があったのは、九州だけ
ではなく、この尾張地方でもあったと知り
驚きました
江戸時代に、この地方でも多くのキリシタンが
捕らえられ、そして処刑されました
この場所に埋葬された人々の霊を弔うために
恵心という尼僧の方が日々お勤めをしたそうです
そして、恵心さんが住んだ草庵が「恵心庵」と
なりました
キリシタンとして村民が捕らえられた事件は
江戸時代に禁教令が出されてから半世紀
も経ってからのことでした
事件の後、地元の人がお地蔵さんを恵心庵に
祀ったそうです
舟形の光背部分には
「有縁無縁三界萬霊等」と彫られていました
仏教、キリスト教に関係なく、冥福を祈りました
ご法度とはいえ、何十人もの仲間を失った
村人も深い悲しみを味わったのでしょう
その後、荒廃した草庵は建替えられて、
現在の御堂になりました
建て替えられた時に西国三十三観音霊場の
観音菩薩が祀られたそうです。
明治になって中央に弘法大師を祀り、現在は
「弘法堂」となっています。
江戸時代に全国の街道が整備され、伊勢参りや
西国三十三観音霊場巡り、四国遍路が盛んに
行われました
御堂は村人が祈りを捧げる場所から、人々の癒しの
場所へと時代とともに変わっていったのでしょうか。
近年、境内付近の畑でキリシタンの遺骨が
見つかりました
悲しい姿で埋まっていたそうです
歴史を再認識する出来事ですね。
今も多くのキリシタンがこの地に眠っています
毎年お盆の頃に御堂を管理している禅宗の
和尚さんが法要を行っています
そして弘法大師の信者さんや、キリスト教徒の
人々がお参りに訪れるそうです
宗教って、根本は「みな平和に暮らしましょう」という
ことだと思っています
違いを認め、他人を尊重することができれば
争いはなくなると思います。
私も、宗教の垣根のない「恵心庵」で手を合わせ、
平和を想い・・・帰路につきました
※五島列島
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