今回のいい町は・・・
モン・サン・ミシェル(2)命をかけた巡礼の旅です♪
大天使ミカエルのお告げにより奇跡が起き、
聖地となったモン・サン・ミシェル
その自然の美しさに多くの巡礼者が胸を打たれた
ことでしょう
しかし、この美しい湾は多くの危険を秘めています
満潮と干潮を繰り返し、砂や堆積物を形成・消失
させます
馬が駆けるように潮が満ちてという表現がされて
きました
急速に足が地面にめり込んだり霧で何も見えなく
なることもあります
命を落とした人も多かったそうです
1879年には陸から堤防づたいに島に渡れるように
なりました
現在は年間300万人がここを訪れるそうです
百年戦争の名残を留める城壁を仰ぎ見て、唯一の
入口「前哨門」をくぐり「王の門」を抜けます。
映画で見るような跳ね橋を間近で見てドキドキ
しました
中庭の一角には、百年戦争の際、イギリス軍から
奪った大砲や石の弾が残っています
門の周辺は城塞だった時代の面影が残る一角です
それを過ぎるといよいよ修道院までのメインストリート
「グランド・リュ」です
メインストリートといえど、曲りくねった細い坂道で
両側には19世紀前半以降に建てられた土産物屋や
ホテル、レストランが並んでいます
この町の原型が造られたのは、巡礼の最盛期12~
13世紀でした
参道として賑わったこの道を、旗をうちたてた修道士に
先導された巡礼者たちの隊列が、聖歌を歌いながら
歩きました
彼らも、両側の店で巡礼の象徴である帆立貝の貝殻
(平和の意味)や杖(希望の意味)を見たことでしょう
修道院の入口が近くなると、道の勾配がきつくなります
1374~1400年に築かれた90段の階段は、
高い壁に囲まれ、頭上には侵入者を狙い撃ち
するために仕掛けられた橋がかかっています
階段を上がり、直進すると聖堂前の西のテラスに
出ます
眼下に広がる湾の美しさに見とれてしまいました
私は美しい自然とこの修道院の素晴らしさを感じるために
ここを訪れました
昔の人々にとっては奇跡を信じた巡礼の地でした
中世ヨーロッパではノルマン人が暴威をふるい
世の中が乱れていました
ペストや飢饉に苦しんでいた人々は、終末観を
信じ、救いを求めて巡礼の旅に出たそうです
そして、苦難に満ちた巡礼を果たすことで功徳を
積み、神の恩恵を得て天国へ行けるようにと祈った
のでした
キリスト教では、最後の審判で地獄に落とされた者
を救う方法はないそうです
それだけに彼らの祈りは切実だったのですね!