私のいい寺 「醍醐寺 三宝院」

今回のいい寺は・・・
京都 醍醐寺にある三宝院です☆


ここは真言宗醍醐寺派の総本山です。
貞観16年(874年)に創建して醍醐天皇の時代に
伽藍が整えられたそうです。

醍醐というと「醍醐味」という言葉を思い出しますね。
醍醐」とは、今でいうチーズのようなものだそうです。
牛乳を精製していく5段階目で「これ以上はありませんよ!」
ということで最上級の味を意味するそうです
凝縮して余分なものを捨てていきますので、盛り沢山に
飾られたものは「醍醐味」とは本来言いません。

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千利休は庭の朝顔の花を全部摘んで一輪だけ床の間に
飾り、豊臣秀吉を招いたそうです。
これが千利休の示した茶の湯の醍醐味かもしれませんね

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醍醐寺は応仁の乱で焼失した後に豊臣秀吉によって
伽藍と庭園の復興をしました。
特に三宝院の再建には贅の限りを尽くしたそうです。
ただ残念ながら完成を見る前に豊臣秀吉はこの世を
去りました

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門をくぐると左側に枝垂桜、中央に、右側に作品展の
が飾られていました。

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菊の種類もたくさんありますね。
入賞した菊です
立て札の紋は菊の中にをあしらった形でした。

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伽藍の入口です。
立派な屋根ですね。

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いたるところに菊の御紋が施されています。
細かい所の細工まで実に見事です

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中に入るとすぐに枝垂桜の見事な襖絵が目に
入ります。
春に訪れたら境内の桜が咲き誇っているでしょうね
ここで豊臣秀吉が人生の最後を飾る善美を尽くした
醍醐の花見”を催した事は世に知られています。
復興事業が進むなか、秀吉は1598年に秀頼、北の政所を
はじめ淀君ら側室、女房衆、諸大名ら1300人を伴い
豪華絢爛な観桜の宴を催したそうです。

この花見で植えた桜でしょうか、醍醐寺境内の枝垂桜は
特に大きいそうです

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中庭は豊臣秀吉が自ら設計しました。
東西に100m、300人の人夫を総動員したそうです
秀吉の思いを受けて数十年かけて完成しました。
池には丸みを帯びた土橋が掛かり、その下を船が
通れるようになっています

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贅を尽くした造りに、貴族の宮殿を思わせますね。

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石は苔むしていくほど味わいが出てきます。
このは音が変化するように出来ているそうです
さりげなくかつ細かい演出がすばらしいですね

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権力の証のように各地から有名なや、珍しい石を
集めました。
中には、古墳に残されていた棺桶の蓋といわれている
ものもあります。
手前から奥に向かって砂石も置かれています。
京都の賀茂川に見立てた枯山水です。
左側の石は流れの速い有様を、
真ん中は川のよどんだ状態を、
右側は川の水が割れて砕け散る様子を表し、
ありとあらゆる石を混ぜ込んだような庭となっています。

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多くの石の中に豊臣秀吉がほれ込んだ石があります。
藤戸石といいます。
源平の頃から戦に勝つ、武運の石と崇められていました
織田信長が笛や太鼓の提灯行列に合わせて城に運ばせた
ほどでした。
いわば天下人の証なのです

豊臣秀吉が戦の褒美にこの石を求めましたが、「まだ早い」と
断られた話もあります。
織田信長亡き後に、この石を天皇に披露して自分自身が
天下人である事を示したかったとも言われています。

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豊臣秀吉の寝室がある建物です。
寝室から庭を眺めると、藤戸石が正面に見えます。
寝るときもこの石をみていたいと考えたのでしょう。
しかし、一度も使用する事がありませんでした。
この庭の主人は翌年の花見を迎える事なくこの世を
去ってしまいました。

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三宝院の正面にある唐門です。
門扉には天皇家の菊の御紋に、豊臣家の桐の
家紋
です。
天皇家をお迎えする証ですね
秀吉はこの花見の翌年に天皇を迎えて花見を
する計画で庭造りを始めたのです。
勅使歓迎の時、内側に扉が開けられると、両脇の
菊紋だけが見えるように造られているそうです

桐の紋は、元々醍醐寺の寺紋です。
天下人となった羽柴秀吉が、公家の最高の地位である
関白」の位を醍醐寺門主の弟から譲り受けた縁で、
家紋を瓢箪から桐の紋に変えたそうです。
関白になった秀吉は、羽柴から豊臣に性を変えて名実ともに
天下を手に入れました

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醍醐寺枝垂桜で有名ですが、広大な敷地の中に色づく
紅葉もなかなか良いです
宝物殿も開いていて当時の華やかな道具が展示して
ありました

今度は桜の頃に訪れたいですね

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