今回のいい寺は・・・
京都 東山 鷲峰山高台寺です☆
豊臣秀吉の正室、北政所(ねね)のお寺として
有名ですね。
織田信長の菩提所を訪ねて京都に来ましたが、
歴史の流れに沿って巡ってきたら豊臣秀吉に
関係するお寺を訪れる事ができました。
秀吉は豊臣家の安泰を願い、幼い跡継ぎを家来に
託してこの世を去りましたが、皆さんご存知の通り
願いは叶いませんでした。
豊臣家としては醍醐寺での花見の頃が絶頂期で
「わが世の春」だったのでしょう。
華やかである程反感を買うのはいつの時代でも
同じですね。
江戸時代になり豊臣家が建立した寺院の多くが
取り壊されました。
その中で北政所は徳川家康の庇護を受けて
豊臣秀吉の菩提所として高台寺を建立しました。
寺名は北政所の出家後の法名、高台院湖月尼に
ちなんで付けられました。
殿が亡くなると奥方は出家して、尼僧となって殿の
御霊を守るそうです。
階段上の建物が霊屋(おたまや)です。
内部は中央の厨子に大随求菩薩像を安置し、
左右の厨子には豊臣秀吉の坐像と正室北政所の
方膝立の木像がそれぞれ安置されています。
厨子の扉や須弥壇に施されている漆器の蒔絵が
高台寺蒔絵として有名です。
茶道具の棗(なつめ)の柄にもよく使われます。
方丈(本堂)前の庭です。
枯山水の庭に組み石ではなく盛り砂が中央にありますね。
奥の塀際には枝垂桜があります。
春にはキレイな花を咲かすでしょう
枯山水の庭でも季節によって変化が楽しめますね。
この盛り砂は豊臣秀吉と北政所を表しているように
見えました。
境内の高台に千利休作と伝わる二つの茶室があります。
傘亭と時雨亭です
以前は竹薮や雑木の中で忘れられたようにありました。
建物は傷みがひどく朽ちかけていたそうです。
こちらが傘亭です。
茅葺の屋根と四方に窓があるのが特徴です。
窓から入る日差しの方向で室内の雰囲気が
変わるそうです。
内部を見ると屋根裏に竹を放射状に配したことで
傘に入ったような気分になることから傘亭の名前が
付いたそうです。
使われている柱は皮付きの丸太で、開放感もあり
他の有名な茶室とは趣向が違いますね
こちらが時雨亭です。
二階建ての茶室は珍しいですね
時雨亭の内部です。
床の間にも円相の窓があります。
外の景色がそのまま飾りとなりますね
北政所は大阪城が落城した時に、この二階から
大阪の方を見ていたそうです
その時の心境はどうだったのでしょう。
大阪城の落城と豊臣秀頼と淀君の死によって
豊臣の時代は終わり、豊臣家は絶えてしました。
北政所はここで静かに余生を過ごしたのでしょう。
お寺を巡って歴史を感じるのには、この季節が
一番いいのかもしれませんね