今回のいい寺は・・・
秋の念仏寺です♪
嵯峨野から愛宕道を歩んでいくと
そこは、あだし野
「誰とても留まるべきかはあだし野の
草の葉ごとにすがる白露」
あだし野を訪れた西行法師は、人生のはかなさを
すがるようにつく白露にたとえました
昔々、この地は洛外 西のはて
野辺の送りをする場所でした
風葬とよばれ、土に埋めずに亡骸を葬ったそうです
弘法大師は名も知れぬ亡骸の哀れな姿に驚き
無縁の仏を弔うために寺院を建立しました
風葬は土葬へと変わり、石塔や石仏が建てられました
この地を訪れた法然上人は、常念仏場を開いて
西方浄土への往生を願い専修念仏を唱えました。
有縁の仏でも時が経てば無縁となっていきます。
あだし野に点在していた石塔は集められ
いつしか八千基の石仏や石塔が境内に並び
賽の河原を模した西院の河原となりました。
西院の河原の石塔は釈迦の説法を聴くように
並んでいます。
それは現世の如来によって西方浄土へと
導かれるようにと・・・
西院の河原の入り口は鐘楼門となっています
鐘を打ってから中へ
河原の中は別世界
無縁の石塔に手を合わせていると
なぜか心の安らぎを感じます
そして河原を囲むみごとな紅葉
一休さんは
白露のおのが姿は其のままに
もみじにおける くれないの露
(白露はありのままの自分でいながら
紅葉の上では紅の露になる)
と歌いました
見上げるとカラッと晴れた秋空
花を見よ 色香も共に散り果てて
心無くても春は来にけり
(花から色も香りも消えても
ちゃんと春は来るのだよ)
世の無常を説きながら自由に生きた一休さん
あだし野に一休さんの歌が響きます