今回のいい町は・・・
前山寺の三重塔「未完成の完成の塔」です♪
塩田城の鬼門に位置する祈願所
前山寺を訪ねました
前山寺の後ろには切り立った山並みの独鈷山
(とっこさん)があります
別名「弘法山」と呼ばれています
弘法大師が山頂に仏具の「独鈷」を埋めたという
伝説もあって、この山は修験道の道場となって
います
前山寺の本堂と向き合うように建っています
本尊は大日如来
大日如来が見守る中で、修行僧は前方にそびえる
独鈷山に入って修験道に精進しました
その所以で前山寺と名前がついたのでしょう
季節の花が美しく咲き、「花の寺」とも
言われています
この塔には窓が無く、二層三層には扉も欄干も
ありません
ありません

途中で仕事を終えたような造りとなっています

そこで「未完成の完成の塔」と呼ばれています

造る手間を省いたわけでは無いでしょう

意図したものは何だったのでしょうか

それは僧侶への暗示でしょうか・・・
美的感覚でしょうか・・・
平安時代に建てられた塔は見る人に問いかけて
いるようですね
いるようですね

塔の一層目、四方の軒下には
「釈迦如来」「弥陀如来」「寶生如来」「阿閦如来」と
仏の名前の額が掛けてありました

釈迦の舎利(骨)をおさめる塔が起源の重層塔も
時を経て役割が変わったのでしょう。
参道にあった苔むした石灯籠

灯籠には仏の姿が彫ってありました

形や大きさは違っても建つ意味は同じ・・・
三重塔を簡素化していけば石灯籠へとたどり着き
そうですね
そうですね

お坊さんが撞く鐘の音が境内に響いていました

自然に~
仏に~
私たちに~
同じ音が伝わります
同じ音が伝わります

梵字で彫られた 胎蔵界・大日如来の真言

真言は意味よりもその音が重要と言われています

隣にはキレイに咲くボタンの花が 

美しく咲く花も、もっと美しくと手を加え
拘っていくと本来の姿から離れてしまいます

花は自然に咲いて散って行くから良いですね

なるべく余分なものを排することによって
自然に伝わってくるものってあると思います

そんな事を前山寺の三重塔が教えているような
気がしました
