今回のいい寺は・・・
京都 相国寺の法堂と開山堂です♪
臨済宗・相国寺は室町幕府3代将軍足利義満が
発願して建立した寺院です。
門外(境内の外)塔頭には金閣寺・銀閣寺が
あります
欧州でルネサンスが開花した頃・・・
日本では鎌倉時代にもたらされた臨済宗の禅文化が、
室町時代の京都でその魅力を大きく開花されました。
その文化の中心地が北山文化の金閣寺、
東山文化の銀閣寺でした。
現在の京の文化の基礎を造った時代ですね。
境内は京都御所の北にあります。
正面の参道の両側は、同志社のキャンパスとなっています。
御所(神道)と同志社(基督教)と相国寺(仏教)が隣接しています。
エルサレムでユダヤ教、キリスト教、イスラム教が隣接しているのと
なんだか似ているような気がします。
境内の景観図です。
金閣寺、銀閣寺を末寺に持つ本山寺院ですから、立派な伽藍が
あるかと思ったら・・・
樹木が生茂った、寂しい感じの境内に驚いてしまいました
伽藍は創建当時より、火災や戦火にあって、再建と消失を
繰り返したそうです。
法堂『無畏堂』です。
無畏堂は何事にもおそれる事なく仏法を伝える
という意味があります。
応仁の乱で燃えた後1605年に再建された
『禅宗最古・最大の法堂』です。
徳川家康の命により豊臣秀頼が米1万5千石を
寄進しての再建です。
創建以来、5度目の再建だったそうです。
1788年天明の大火による消失を逃れた唯一の建物です★
今回は京の冬のたびで法堂内を案内してもらう事が出きました♪
床には瓦が敷詰められてとってもひんやりとした空気が漂っています。
修行や説法をする場所だからでしょうか。
須弥檀(本尊や諸仏を祀る場所)には開祖『夢窓疎石』の
木像が祀られていました。(図説の人です)
普段は本尊の「お釈迦様・阿難尊者・迦葉尊者」が祀られて
いますが、九州で開催中の『京都五山 禅の文化展』へ
出張中だとの事
私は東京で開催された際にお目にかかりましたが、
足利義満600年忌を記念しての開催です★
天井には直径9mの円の中に描かれた龍がこちらを
睨みつけています。
今は消えかかっていて見難いのですが、当時龍の周りに
雲が描かれていたそうです。
年月が経つと極彩色も水墨画も消えてしまうのが残念です。
そして、龍の下で手をパンと叩くと、龍が鳴いたような音が
する事から、『鳴き龍』と呼ばれているそうです。
試しに私も叩いてみました
パンと1回手を叩くと「コロコロ」という音が響きます
屋根が少しだけ丸くなっているからとてもよく響くそうです
こちらは開山堂(開山塔)から見える庭園です
枯山水庭園と山水庭園が一緒になった珍しいお庭です。
※通常は、前方は枯山水で後方が山水庭園になっているという
パターンが多いそうです。
元々は上賀茂から御所(天皇のいた所)へと、この庭を通り水が
流れていたそうです
しかし、昭和15年頃に水が枯れてしまい『山水+枯山水庭園』に
なったそうです。
手前は白砂+石=枯山水
奥は水の流れ+築山=山水庭
もちろん開山堂には夢想疎石と出家後の義満像が祀られています。
さてこの室町時代に造られたお庭から鐘楼を眺める事が
出来ます
今日の日本の伝統文化を代表する能・狂言・茶の湯・生け花
などの多くは、室町時代に形を整えて基盤を確立していきました。
相国寺の僧侶は、室町文化の担い手として、
金閣寺・銀閣寺造営の中心的な役割を果たしました。
在籍した僧侶が中国文化を伝えて義満がそれを取り入れ
そして文化が花開きました
当時の僧侶は今でいう外交官みたいな役割もしたそうです。
次は水上勉の小説の舞台となった「雁の寺」を訪れます