今回のいい寺は・・・
相国寺塔頭・瑞春院①です★
『雁の寺』で有名なこのお寺ですが、今日は雁ではなく
ステキなお庭からご紹介したいと思います
33個の石が並んでいるそうです。
普段はもっとくすんだ色だそうですが、みぞれの降る寒い日
でしたので、庭石がちょうど濡れて鮮やかな朱色になったそうです。
お庭に出て散策することができます
「雲泉庭」とその向こうにある書院の『雲泉軒』です★
池に浮かんだように見えますね。
お庭には石や砂を使った「枯山水」、滝などを作った「山水庭」など
色々な種類がありますが、こちらのお庭は『池泉鑑賞式庭園』
だそうです。
池の周りを鑑賞しながら楽しむという事でしょうか。
池泉回遊式庭園と似ているようですが・・・
ではその名前の通り鑑賞してみましょうか♪
滝は中国の廬山の雪どけ水が溶けて流れてくるという
イメージを表しているそうです
橋を渡った池の向こうには待合が見えます
待合の手前には関守石が置かれています。
粗い縄で結ばれたこの小さな石が、これより先へは行かないでね
と教えてくれる道しるべです
待合の軒下はなんとすずめの形をしていました
そしてお隣には茶人で作庭家としても有名な小堀遠州の
手法を取り入れて作ったという『水琴窟』がしつらえてあります。
地面から突き出した2本の竹に耳を付けると・・・
地下でキレイな音が響いてるのが聴こえます
ピアノの様でもあり、琴の音色のようにも
京都一の水琴窟と言われるだけあって、地下深くに置かれた
甕の壁は苔むしているようだと聞きました。
古い甕は苔むしたり、しっけでいい音がするそうです。
新しい甕では音が乾いた音しか出ないのでしょうか・・・
表千家の不審庵を模して作られたという茶室
『久昌庵』という書は千宗左の直筆だそうです。
茶室に入る前には蹲で手口を清めます
色々な形のつくばいがありますよね♪
では池に浮かんだ書院『雲泉軒』へ上がってみます
立ったままでは見えませんが・・・
火灯窓の前に座る事によってこんなにステキな景色を見る事が
できました
千年ものの柚木灯篭と、遠くに見える檜の木立が一体となって
1枚の絵を観ているような気分になりました。
手前の檜も遠くの檜も天に向かってすっと伸びていました
昔瑞春院に寄宿していた鈴木松年の秀作『古松』です。
大正7年に亡くなった彼は天竜寺法堂天井画なども手がけています。
思い出のつまったお寺へ思いを込めて描かれたのでしょうか。
直径50cm・重さ7kgの大きなお茶碗です★
水琴窟の奏でる音色に魅せられ、その音色をイメージし
作られたそうです。
なんと、日本一の伊羅保釉大茶碗!
現在も瑞春院で催されるお茶席で使用されているそうです
床の間の掛け軸には、ドクロを杖につけて歩く和尚さん。
一休さんでしょうか・・・
正月の京都の町に出て、杖の頭にドクロをしつらえ、
「ご用心、ご用心」と叫びながら練り歩き、町民に
嫌がられた話がありますね。
一休さんの歌には
『門松は冥土の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし』
もあります。
この掛け軸は達筆で所々しか読めませんが、一休さんの
歌が書いてあるのでしょうか。
私達は正月になると「明けましておめでとうございます」と挨拶を
しますが、よく考えると、正月を迎える度に歳をとって人生の
終わりに近づいているのです。
「ちょうど、門松は冥土へ行く途中の一里塚みたいなものですよ。
浮かれてばかりいないで時を大切にしなさいよ。」
とこの掛け軸は私達に問いかけているのかもしれませんね★
次回は瑞春院(2)雁の寺編です♪♪