道を貫くということ。

今回のいい寺は・・・
名古屋のとあるお寺を守る庵主様のお話です♪

庵主様とは尼僧の事で、お寺めぐりをする中でふとした事から
出会いがありました。

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京都のお寺には立派なお堂やお庭があります。
趣向を凝らした素晴らしいお庭が沢山あります。

しかし、私はこのお花を見てかわいい!と思いました

自分の好きな花をちょこっと植えたりして季節を楽しむ・・・
それが本来の庭かもしれませんね

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『洗心』とは・・・
とらわれ・かたより・こだわりの3つの心の垢を流しましょう
という意味だそうです。

庵主様は「いつも感謝をしなさい」、
一度嘘をつくと信用は取り戻せない。素直な心で生活しなさい
とおっしゃいます。
当たり前の事かもしれませんが、『ありがとう』という言葉が
自然に出る人になりたいと思います。

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偶然にも私と同じ名前の庵主様。
水上勉の様に3歳でこのお寺へ来ました。
ただ違うのは口減らしのために来たわけでは無かったという事。

何度もお邪魔していますが多くは語らない庵主様・・・

一緒に写真を撮ろうと言っても
「シワくちゃだからいやだ」といって撮ってくれません。
とっても笑顔が素敵な方なのですよ!!

お寺へ入ったきっかけを聞いたところ、ただ一言
まんじゅうをくれるというから付いて来てしまったのだよ」と。

今でこそ「まんじゅうくらいでお寺に入るなんて信じられない」
という時代ですが、当時は尼僧になる人が多かったようです。

雁の寺』を書いた水上勉は寂しくて何度も寺を抜け出しています。
庵主様に3歳で親と離れて寂しくなかったのかと聞いたら・・・
『親は会いに来なかったね。(親子の縁が)薄情なんだわ』とポツリ。

親は(不本意ながらも)選んだ道を最後まで進んで欲しかった
のではないでしょうか?
だから会いに行けなかったのではないかな・・・

「薄情だ」と言いながらも今年母親の50回忌だからきちんとして
あげたいんだとおっしゃっていました。

お寺に入る道を選び、この道を生きてきた人が今もここにいる。
女性にとって生きていくには少々辛い道でもあるようです。

檀家を持たず、月参りで主たる生計を立てている。
欲は無く、生きていけるだけのお金があれば十分だと。

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口数の少ない庵主様はたまに見せるやさしい笑顔で私達を癒し、
生きていく上での大切なことを少しずつ教えてくれます。

説法を聞くよりもよっぽど世の中の事がわかるからと勧められた
御詠歌」は仏の教えを分かり易く歌にしたものです。
お経の本は難しいですものね・・・

楽しみが無い修行生活の中で唯一の楽しみだったそうです・・・
今でも庵主様に御詠歌を習いに町の人が集まってきています。

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昔むかし、石の観音様が辻(交差点)にあり皆が手を合わせて
いました
大正元年に観音様を祀る為にこのお寺を建立し、尼僧が入り
寺を運営していったそうです。

農協のように町の人の憩いの場として使われていたそうです。
しかし、最近は訪れる人が減ってしまったそうです。

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大師堂には弘法様が祀られています。

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町のお寺らしく誰もがお参り出来るように壁には数珠が掛けられていました。

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しかしこの弘法様は高野山へ背負って持っていくのだそうです。
自分がこの先長くはないので、世話をする人がいなくなっては
申し訳ないからだそうです。

庵主様は満85歳。
後を継ぐ者はいないそうです。
少しずつお寺をたたむ準備をしているようにも思えました。

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こちらは先代の庵主様。
とってもやさしそうなお顔です。
3歳でこのお寺へ来てからずっと共に生きてきたお師匠様
「この方から色々なことを学んだよ」と・・・。
お師匠様が亡くなって35年間たった一人でお寺を守ってきました。

『次は私の番だね』と・・・

いつまでもここで元気なお顔を見せてくださいねという私の言葉に、

死んでも魂はここに残るさ

庵主様にとってはこの場所が自分のですものね!

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